(画像引用元:ギャラリー | ニコイチ2戸を1戸に【ニコイチ】大阪府住宅供給公社)3DKの2戸を合体し、1戸の部屋に大型リノベーションされた「ニコイチ」。広々した間取りです。
昭和30年代から40年代にかけて建設が進んだ団地というと古くさい2DKの間取りだったり、単純に老朽化していたり、エレベーターがなかったりというイメージがあります。しかし、MUJI×UR団地リノベーションプロジェクトといった取組や、団地R不動産といったサイト、団地萌えという言葉があるように、全国各地で団地の魅力を再発見または再編集しようという動きが盛んです。今回はそんな動きの一つである大阪府住宅供給公社の団地再生プロジェクト「ニコイチ」について書きます。
90㎡(45㎡×2)という広さと卓越したデザインな間取り
西日本最大規模の泉北ニュータウンにある茶山台団地で大阪府住宅供給公社が提供している、隣同士の2戸を1戸にリノベーションする「ニコイチ」事業は2015年度から始まりました。ニコイチの何が良いって、それは90㎡(45㎡×2)という広さと卓越したデザインな間取りにあります。45㎡だとちょっと狭いと感じる子育て世帯に人気で現在、募集は終了しています。なお、家賃は7〜8万円です。
(画像引用元:団地再生、秘策は「ニコイチ」 合体リノベで家族を狙う:朝日新聞デジタル)
百聞は一見にしかずなので、こちらの動画からニコイチのリノベーション前後の画像をスクショさせていただきました。
1<Before>剥き出しスケルトンが…
1<After>開放的な空間に!
2<Before>古めかしい和室が…
2<After>明るいお部屋に!
3<Before>殺伐としたベランダが…
3<After>2戸をつなげた長いウッドバルコニーに!
4<Before>古いキッチンが…
4<After>システムキッチンに!
5<Before>古いお部屋が…
5<After>使い勝手の良い綺麗なお部屋に!
6<Before>水回りも…
6<After>綺麗に!
7<Before>広々とした居室に…
7<After>リノベーション!
8<Before>こちらも…
8<After>リノベーション!
9<Before>隣同士の2戸をつなげて…
9<After>ニコイチ!
平均募集倍率は年度ごとに4.7〜7.0倍と高い
茶山台団地といえば2014年度に「DIY R SCHOOL」 という半年間のDIYワークショップの舞台となりました。しかし実際に入居者を募ると、1戸当たりの面積45㎡が子育て世帯には入りづらいと敬遠され、思ったほどの応募がなかったのです。そこで考え出されたのが「ニコイチ」です。
この経験から考案されたのが、隣り合わせの2戸の間の壁を抜き、面積90平方メートルの1戸に改装するニコイチだ。15年度は3戸、16年度は6戸、17年度は香里三井C団地(寝屋川市三井が丘)の5戸も加え計10戸のニコイチを提供した。
平均募集倍率は年度ごとに4.7〜7.0倍ととても人気であることがわかります。単純にニコイチにするだけでなく、リノベーションのデザインにも気を使っている点が人気のポイントです。
(画像引用元:ニコイチ | 団地リノベーション2戸を1戸に【ニコイチ】大阪府住宅供給公社2戸を1戸に【ニコイチ】大阪府住宅供給公社) デザイン性の高さも子育て世帯に人気の理由になっています。
まとめ
茶山台団地から最寄りの泉ヶ丘駅までは1.2km、徒歩15分でした。しかし家賃が7〜8万円で90㎡の専有面積というメリットは大きいです。茶山台団地はリノベーションといったハード事業にも「茶山台としょかん」などのソフト事業も充実しています。大阪府住宅供給公社は2018年は、団地内への「DIY工房」の設置やニコイチの倍増などに取り組む事業計画を策定しました。また、堺市も大阪府住宅供給公社などと連携して泉北ニュータウンの住戸リノベーションモデル事業に取り組んでいます。住み心地が良く子育てしやすい住宅とは何だろうと考えたときに、やはり基本になるのが広さです。これから空き家がますます増加していく中、マンションやアパートの空き室対策としてニコイチは大きなヒントになります。