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空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

新築文化から中古リノベーション文化へと日本人の住まい観を更新するには「中古住宅評価の仕組み」の整備が急務

日本人の住まい観を更新する

 

PLANETSのメルマガで不動産情報ポータルサイトHOME'Sを運営する株式会社ネクストの井上社長と評論家の宇野常寛さんとの対談記事が公開されています(全文を読むためには登録が必要です)。で、その中で日本の住宅市場は新築文化から中古リノベーション文化になっていく必要があることが語られています。そのために不動産ポータルサイトHOME'Sがどう働きかけていくか。

 

まずは「HOME'S PRESS」というメディアを通じて住宅ユーザーを啓蒙していくことが挙げられています。

 

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住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【HOME'S PRESS】

 

東京都も2020年以降、本格的に人口減少に向かい、これまでたくさん建てられてきた住宅が余っている(全国の空き家率13.5%)状況の中でマクロなレベルで考えると、新築をこれ以上作るのではなく、中古住宅を長く使えるように修繕や改修を行い、それがちゃんと資産価値として評価されて流通していくことが重要です。

 

しかしミクロなレベルで見た時に、日本人ひとりひとりの住宅に対する意識の中で新築を求める傾向があることは一般的な空気感としてあります。漠然と新築を望んでしまう、という。これには中古住宅に手を加え資産価値を上げていくまたは維持していくという考えや具体的な手法が知られていないだけまたはそういう住宅文化が根付いていないだけなのではないかと思います。

 

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リノベーション(中古マンション・一戸建て)なら【HOME'S/ホームズ】

 

リノベーションというと費用がかかるのでは?と思う方も多いと思いますが、DIYでセルフリノベーションすればかなり安く仕上げることが出来たりと、創意工夫次第で中古住宅でも満足のいく住まいをつくることが可能です。

 

 

住むことに対する固定観念

 

新築がいい、3LDKがいい、というのは固定観念で、”昭和的価値観”に過ぎなくて、人口減少や家族の形や働き方が変化している中で「住まい観」も更新していく必要があります。例えば子供がいないフリーランス同士の夫婦の場合、リビングは不要だったりします。

 

宇野 それは、やってみたいですね(笑)。結局、みんな「住むこと」への固定観念があるんだと思います。

 例えば、僕はちょうど2年前に引っ越したのですが、本当に使いづらい物件しかなくて困ったんです。ウチは、子どもが居ないからリビングが不要なんです。一方で、夫婦ともにフリーランスだからお互いの仕事部屋は欲しいし、職業柄、本の収納スペースも欲しい。ところが、日本の賃貸物件というのは、家族がリビングで団欒するのが前提に作られていて、広くて日当たりの良い場所がリビングなってしまう。これだけ少子化や晩婚化が叫ばれているのに、家で仕事をする人間を想定した家屋がいかに少ないかと気づかされて、ショックを受けたんですね

 

そして賃貸物件も壁紙は白で壁に画鋲も刺せない、みたいな捉え方も固定観念というか思考停止に過ぎないのでしょう。なぜそういう固定観念に染まっていまうかというと、供給側と需要側との情報の非対称性が大きいと思います。

 

井上 ほとんどの人が「こんなものだろう」と思っているのかもしれません。ワンルームマンションに住むのなら、白い壁で、フローリングの床で……こんなもんじゃないの、って。住宅供給の歴史は、まずは「量」の需要を満たすために、「羊羹型マンション」と言われる最大公約数の需要を満たした同形の部屋を増やしてきた歴史です。最近になって、やっと「質」も重要になってきて、最近の新築施設ではバリエーションが増えてはいますが、まだまだ一人ひとりのライフスタイルに合わせた設計は出来ていないですね。

 

日本人の住まい観を更新するために「中古住宅評価の仕組み」の整備が必要

 

 「HOME'S PRESS」に限らず「スーモジャーナル」、「ヘヤジン」など新しい住宅文化やライフスタイルについて発信しているメディアはたくさんあります。ただそうした発信も大事ですが、環境整備や仕組みといったアプローチも同時並行的に取り組んでいくほうが効果的です。つまり、中古住宅のインスペクション(住宅診断)と資産価値の評価を仕組みとして住宅市場の中に実装していくことです。

 

井上 まず、高額の買い物ですから、安心して買えるためのスペック評価は重要でしょう。中古車市場のように「この物件は整備済み。Aクラスの判定です」と言えるようにしたいですね。具体的には、建物のハードウェア部分については建物検査や瑕瑾保証のサービスの厚みを増していく。その一方で、ソフトウェア部分についてはリノベやDIYなどの選択肢を増やしていく。まず一つ、そういう対応があるでしょうね。

 もう一つは資産評価――具体的には銀行の担保評価システムを変えていくことです。これについては現在、科学的な価格インデックスを作成中です。本来の投資金額や残存価値、あるいは現状での市場価値まで含めて将来価値を算出して、論理的に評価できるようにしたいんです。最終的には、現在の銀行の評価に置き換えるところまで持っていければと思っています。

 

なぜ中古住宅市場が流通しないのか?というのは中古住宅が資産としてちゃんと蓄積されてこなかったからです。それはつまり銀行の評価と結びつきます。アメリカでは住宅投資を行えばそれが住宅資産として蓄積されていますが、日本の場合は住宅投資を行っても住宅資産は蓄積されていません。その結果、中古住宅は市場価値が低く見られています。

 

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STOCK & RENOVATION 2014【HOME'S総研】

 

宇野 つまり、日本は一度作った住宅を放置して、腐って行くのをただ待っている。しかし、米国では常にリノベーションで手を加えていくことで、資産価値が維持されているというわけですね。

 

スクラップアンドビルド、作っては壊すというおかしな仕組みが今の住宅市場には根付いてしまっているのです。

 

 

そこで国土交通省では中古住宅流通とリフォームの市場規模を倍にする政策方針を打ち出していますが、まだまだ実社会に反映されていないといえます。ただこれは不動産コンサルタント長嶋修さんの記事を読むとこれから変わっていく、という兆しは見えていますので、もう少し掘り下げて調べてみる必要があります。

 

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その他:中古住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み - 国土交通省