マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

適切に空き家管理して空き家を流通させる

ハイアス・アンド・カンパニー(株)が2018年5月から6月にかけて首都圏4箇所で空き家対策セミナーを開催し、そのセミナーに来場した70名を対象に「空き家に関する問題意識アンケート」が実施されました。この空き家対策セミナーは空き家を所有している方や空き家予備軍を所有している方が主な参加者ですのでアンケート結果も、空き家に関する問題を抱えているリアルな内容になっていると思います。

空き家が自宅から遠い

スーモジャーナルのこちらの記事でも紹介されているように、「空き家を所有、もしくは所有する予定で何か悩みや課題になっていますか?」の回答は

  • 場所が自宅から遠い(29.1%)
  • 固定資産税がかかる(23.6%)
  • 管理に時間や手間が取られる(18.2%)

などという状況です(神奈川県座間市、千葉県千葉市開催の空き家対策セミナー参加者からの回答)。場所が自宅から遠いことが一番の悩みであり課題であるということは、定期的に空き家に出向いくことが前提としてあるように思います。つまり、定期的に空き家に出向きご自身で空き家管理の作業しているということが推測されます。

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(出典:空き家対策セミナー参加者への「空き家に関する問題意識アンケート」|不動産相続の相談窓口

県外にある空き家

問いの2番目は「問題を感じている空き家もしくは実家の所在地はどこですか?」です。これに対する回答は「県外」が57.4%と過半数を超えました。この回答は、空き家が自宅から遠いことが一番の悩みであり課題であるという最初の問いに対する回答とリンクします。

f:id:cbwinwin123:20181027141845p:plain(出典:空き家対策セミナー参加者への「空き家に関する問題意識アンケート」|不動産相続の相談窓口

空き家管理サービスはほとんど利用されていない

問いの3番目は「該当する空き家は現在どのように管理していますか?」を実際に空き家を所有している方に聞いています。これに対する回答は

  • ご自身が定期的に管理している(66.7%)
  • 管理会社に委託している(4.8%)
  • 何もしていない(0.0%)
  • その他(28.6%)

です。まずご自身で空き家管理されている肩が約7割ということですので、専門業者による空き家管理サービスはまだまだ浸透していない実態が見えてきます。確かに国土交通省が過去に実施した平成26年空家実態調査においても、専門的な業者への空き家管理の希望は委託したい・委託しているをあわせても8.8%と少なく、「(管理を)委託するつもりはない」が77.2%となっていました。例えば、NPO法人空家・空地管理センターでは「100円管理」と「しっかり管理」という空き家管理サービスを提供しています。「しっかり管理」の方は月/4000円〜サービス提供しています。回答にある「その他」の内訳としては「物置状態」「庭の掃除のみ」といった回答があったそうで、なかなかご自身で空き家管理することが難しいけれども専門業者に委託することはできていないという実態が垣間見えます。

f:id:cbwinwin123:20181027142811p:plain(出典:空き家対策セミナー参加者への「空き家に関する問題意識アンケート」|不動産相続の相談窓口

売却や利活用への興味あり

問いの5番目は「空き家の今後の対策方法として興味があるものは?」です。これに対しての回答は

  • 売却(41.3%)
  • 空き家の利活用(25.3%)

というツートップでした。やはり空き家対策セミナーに参加するくらいの問題意識の高い空き家所有者や空き家予備軍所有者ですので、空き家の流通に前向きな回答が上位でした。

f:id:cbwinwin123:20181027145146p:plain(出典:空き家対策セミナー参加者への「空き家に関する問題意識アンケート」|不動産相続の相談窓口

適切に空き家管理して空き家を流通させる

空き家が遠方にある、県外にある場合、移動時間、交通費、空き家管理の労力など様々なコストがかかります。それでもご自身で空き家管理されている割合が約7割という結果を見ると、もっと専門業者の空き家管理サービスを臨機応変に活用してもいいのかなと考えます。確かに費用は多少かかりますが、ご自身で空き家管理されるコストよりも安くつく場合もあると思います。適切に空き家管理していけば、売却や利活用もしやすくなります。おそらく立地や建物の状態が良ければ売却が割とスムーズにいくと考えます。空き家を売りたい人の掲示板サイトである「家いちば」に空き家を登録するのもいいかもしれません。一方で駅から遠かったり老朽化が結構進んでいる場合でも、空き家しかり空きスペースを必要としている人や団体は全国各地にいますので、そういった人や団体に貸すというのも選択肢の一つです。SNSやブログを使って空き家を活用したい人や団体を探してみると割とすぐ見つかるかもしれません。または地域や社会の課題を解決するために空き家を活用できる場合もあります。ソーシャルビジネスに取り組む事業者や地域のNPOなどに空き家の活用について相談してみるもおすすめです。