宇野常寛さんが責任編集をつとめる総合批評誌である「PLANETS vol.10」の中の”雑誌内雑誌”としてコラボしている「走るひと」に触発され、渋谷周辺の街を走ってきました。走る、といっても体育・部活的な自己修練ではなく、走ること自体を楽しむライフスタイルスポーツとしてのそれです。人も多く、Googleマップを頻繁に見ながらで実は歩いてばかりだったのですが、渋谷駅から半径2.5キロの範囲内でも各エリアで雰囲気が違い、五感で街同士のつながり、街の流れを体感できたことは収穫でした。
- 神泉駅からスタート
- 全長700mの高架下に飲食店などがズラリ
- 東急東横線の旧線路跡地に誕生した街のコンテンツ
- 気になるお茶専門店
- ランニングステーションはランナーの味方
- 新国立競技場は建設中
- 複合施設ミナガワビレッジ
神泉駅からスタート
スタートは神泉駅から。最初に立ち寄ったのは2018年の大河ドラマつながりで「西郷山公園」。西郷山と言うくらいで眺めが良かったです。グリーンカフェ西郷山というカフェも併設されています。
次は中川寛子さんの記事で以前から気になっていた「中目黒高架下」を目指して目黒川沿いを南下している途中、おしゃれな書店「COW BOOKS」を偶然見つけました。こういう偶然の発見は面白いです。
全長700mの高架下に飲食店などがズラリ
中目黒高架下にやってきました。中目黒駅から祐天寺駅の間の全長700mの高架下に30店舗以上の飲食店や事務所などが軒を連ねています。 といっても飲食店が目立ちました。さすが中目黒とあって、ここに来れば美味しいものが何でも食べられる、といった感じがします。土曜日のお昼ということもあってか多くの人で賑わっていました。
中目黒高架下は東急電鉄と東京メトロが共同で開発されました。開発コンセプトは「 SHARE」。個性あるさまざまな店舗が「SHARE」し、”中目黒らしい街の楽しみ方”ができる新しい商店街のカタチを目指します(参考記事)。
一応、端から端まで歩いた感じでは、チェーン店はほぼ無く、ここにしか出店していないようなお店が多かった印象です。夜は昼以上に賑やかになりそうです。
東急東横線の旧線路跡地に誕生した街のコンテンツ
次は渋谷駅方面へ北上します。立ち寄ったのは、東急東横線の地下化に伴い、代官山駅近くの旧渋谷第一踏切から渋谷方面に向かって全長220mの線路跡地を開発し、2015年に誕生した商業施設「ログロード代官山」(参考記事)。
お店に入らなくても長い散策路を歩くだけでも気持ちのいい場所です。代官山駅と渋谷駅との間にある空間であり、街と街との間の隙間を埋めるコンテンツとしての価値を感じました。
さらに渋谷駅方面へ行くと、2018年9月に「渋谷ストリーム」とともにオープンした「渋谷ブリッジ」があります。
この日は出店している「マスタードホテル」に訪れた訪日観光客と思われる人たちを多く見かけました。
気になるお茶専門店
渋谷駅エリアに入ってきました。PLANETSのメルマガで知った丸若裕俊さんがやっている新しいスタイルの茶葉店「幻幻庵」。こちらのお店は前から気になっていました。
ランニングステーションはランナーの味方
渋谷駅を抜けて代々木公園を横目に今度は代々木八幡駅方面へ向かいます。「&MOSH」はロッカーやシャワー施設などを備えられていて、ランナーの快適なランをサポートしてくれる施設です。
新国立競技場は建設中
この時点で力尽きてきて、代々木八幡駅から南新宿駅まで電車で移動。建設中の新国立競技場へ向かいます。やはりこのエリアはランナーが多かったです。
複合施設ミナガワビレッジ
最後は表参道エリアです。「ミナガワビレッジ」はカフェ、コワーキングスペース、SOHO(住居兼オフィス)などからなる複合施設。1957年に建てられましたが老朽化に伴い改修されました。1敷地に検査済証のない4建物という違法な状態でしたが、渋谷区との協議を重ね適法建築物として認められたという経緯があります。こちらも中川寛子さんの記事で知りました。
人通りがある1階はカフェにすることで多くの人が訪れるきっかけとなり、街の中に溶け込んでいました。用途が複合する建物は単純に面白いです。
以上、駆け足で見てきましたが、それぞれのエリアで見える景色が違っていました。代官山エリアはやたら白い犬を散歩させている人をよく見たり、代々木八幡はゆったりとした商店街と住宅街という雰囲気、目黒川沿いや新国立競技場付近はランナーが多かったり。それぞれのエリアの特性や課題、ニーズに合った空き家然り建物の再生や開発が求められます。あと、やはり東急電鉄による巨大資本の力を見せつけられました。