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空き家を活用して新しい価値をつくる

5年前に比べ63万戸増加した空き家のうち50万戸は放置空き家になる可能性の高い「その他の住宅」

7/29に発表された総務省「住宅・土地統計調査」で最新の空き家データが公開されてからというもの、空き家関連のニュースや討論番組が活況です。

全国の空き家率が過去最高。そろそろ今後の住み方を本気で考える時期に

日曜討論|NHK総合テレビ・ラジオ第1 毎週日曜あさ9時から生放送(2014.8.10放送「人口減少社会 どうする空き家問題)

 

今回の調査結果で全国の空き家数は820万戸、空き家率は13.5%、7戸に1戸が空き家ということが主にニュースのヘッドラインとして伝えられています。では具体的に空き家の種類は何なのか?賃貸住宅の空き家が増加しているのか、それとも市場に出ていない個人住宅の空き家なのか?や、空き家の状態はどうなのか?空き家は老朽化していて活用できないのか、それとも全然使える状態なのか?といったことを掘り下げていきます。

 

空き家の増加=第三者がすぐに住める空き家の増加では無い

 

総務省「住宅・土地統計調査」によると空き家の種類は4つあります。結論から言うと今回の調査で著しく増加した空き家は売却や賃貸にも出されていない「その他の住宅」がほとんどです(5年に比べ63万戸増加した空き家のうち50万戸)。

 

●売却用の住宅
前回調査時の約35万戸から約31万戸(空き家全体の約4%)へと約4万戸の減少となりました。

●賃貸用の住宅
前回調査時の約412万戸から約429万戸(空き家全体の約52%)へと約17万戸の増加となりました。

●二次的住宅
前回調査時の約41万戸と変わらず約41万戸(空き家全体の約5%)でした。

●その他の住宅
前回調査時の約270万戸から約320万戸(空き家全体の約39%)へと約50万戸の増加となりました。

全国の空き家820万戸の種類別内訳【平成25年度調査】

 

つまり空き家が増加しているといってもその内訳を見ると不動産市場に出ていない「その他の住宅」がほとんどで、すぐに第三者が空き家に住んだり活用出来るわけではありません。そして「その他の住宅」は売却にも賃貸にも出ていない分、管理や活用は空き家オーナー次第なところがあるのでそのまま長期間放置というパターンが多いことが問題となります。

 

空き家の種類を図で見るとわかりやすいです。

 

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画像引用元)空き家の4割近くは(不動産市場に出ていない)「その他の住宅」です。

 

より詳しくてわかりやすい図もたくさん載っているこちらのサイトもとても参考になります。

即入居可能な物件とそうでないものと……空家数増加の実態をグラフ化してみる(2014年)(最新) - ガベージニュース

 

さらに、空き家の総戸数に占める「その他の住宅」の割合の多い都道府県トップ3は鹿児島県64.83%、島根県64.73%、高知県59.31%です。

 

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画像引用元)この図を見てわかるように、地方の空き家は「その他の住宅」が多い。都市の空き家は逆に「賃貸用の住宅」が多い。

 

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