空き家グッド

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3.11がきっかけで解体→駐車場にする予定だった木造賃貸アパートを”最小文化複合施設”にリノベーション(HAGISO宮崎晃吉さん)

木造賃貸アパートを”最小文化複合施設”「HAGISO」へリノベーション

 

10月27日のリノベーションEXPOリノベーション・ニュージェネレーション」からHAGISOの宮崎晃吉さんの取組をまとめます。宮崎さんのお話は以前にも聞きにいったことがあります。元々空き家だった木造賃貸アパートに学生たちがシェアハウスとして住み始め、2011年の東日本大震災をきっかけに解体し駐車場にする予定でしたが、”ハギエンナーレ2012”というアートイベントで約1500人の来場者が来たこともあり、オーナーさんの考えが変わり解体から一転、カフェ、ギャラリー、レンタルスペース、美容室、アトリエ、設計事務所などからなる”最小文化複合施設”「HAGISO」へと生まれ変わります。

 

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解体決定の建物が一転、最小文化施設に!HAGISTUDIO vol.2|東京都 台東区谷中|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

 

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宮崎さんのお話。実は話を聞くのは3回目なのでだいぶ内容が分かってきています。

 

木造賃貸アパート「萩荘」のポテンシャル

 

1955年竣工の空き家状態だった木造2階建ての賃貸アパートに芸大の建築科の学生が住み始めたのが2004年の春頃。学生のアトリエ兼シェアハウスとして使われていましたが、2011年3月11日の東日本大震災で街中も道端の塀が崩れたり屋根の瓦が落ちたりといった被害がありました。以前から設備関係の老朽化が限界に達していたこともあり、今後のことも考えて解体してしばらく駐車場として使用する方針であることをオーナーさん決めます。

 

入居者もその方針を理解していました。その上で愛着を持ったアパートにきちんと別れを告げるセレモニー”ハギエンナーレ”をやろうというノリになります。2012年2月25日から3月18日にかけて入居者やアパートに入り浸っていた芸大生たちによってアパート全体を使って展示をするというものでした。総勢20名以上の作家の作品が、合計約1500人もの人が訪れました。

 

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木造の学生アパート「萩荘」で始まったこと。HAGISTUDIO vol.1|東京都 台東区谷中|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

 

これだけの人が集まり盛り上がったという場面を目の当たりにしたオーナーさんはこの場所のポテンシャルに気づいたということになります。

 

私は展示の片付けをしつつ、大家さんと後始末について話していると、大家さんの奥さまがぽつり、とつぶやきました。
「ちょっともったいないかしらね〜」
おや? と。これはもしかすると少し風向きが変わってきたのかな?と思い、よくよくお話を伺ってみると、「ハギエンナーレ2012」を通して、大家さんたちご自身も、ただのボロアパートだと思っていた建物に多くの若者が集まった光景を目にして、場所のポテンシャルに気が付いたとのことでした。

解体決定の建物が一転、最小文化施設に!HAGISTUDIO vol.2|東京都 台東区谷中|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

 

リノベーションのアイデアを提案

 

オーナーさんの気持ちが揺らいだチャンスに、宮崎さんは早速リノベーションのアイデアを提案します。

 

「これは萩荘にとって最後のチャンスかもしれない」
僕は早速リノベーションのアイデアを提案しました。デザインをずっと学んできた僕にとっては、提案書をつくるなど全く素人でしたが、簡単な事業計画と、経済的なリノベーションのメリットに関しても説明しました。「駐車場として運用する場合」「新築の集合住宅を作る場合」「リノベーションする場合」、と3つのシミュレーションを仮定して、それぞれの事業を比較します。 

解体決定の建物が一転、最小文化施設に!HAGISTUDIO vol.2|東京都 台東区谷中|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する

 

最終的にリノベーションという選択肢を選んでもらいます。そして設計だけでなく建物の運営も行うことを前提に改修を進めて行きます。

 

私設の公共施設として

 

東京には多くの公的な公共施設や巨大資本による複合施設がありますが、「私設の公共施設として運営」することを目指していそうです。立派な高層ビルなどではなく戦後の典型的な木造住宅を現代に活かすことで人が集まる賑わいの場をつくろうということですね。

 

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