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空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

ポスト2020年を自律的に生きていくために「PLANETS vol.9」は必読な件

「PLANETS vol.9」をきっかけにポジティブな議論を

 

本屋さんできっと平積みされてると思いますが「PLANETS vol.9」面白いですよ!何が面白いって、全く自分ごととして捉えられない2020年東京オリンピックに自分も「参加」したり「体感」出来る可能性を感じられたり、オリンピックを契機として東京という都市がどう進化していくべきなのかがダイナミックに示されていたり、スポーツ以外にもサブカルチャーの文化祭を企画しようとしていたり、とにかく読んでいてワクワクします。テンションが上がります。

 

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全272ページオールカラーなので本来なら定価2,000円超のところ、学生にも買いやすい金額に下げようとクラウドファンディングで資金を募った結果、定価1,400円に!もちろんぼくも寄付しました。

 

PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト
 

 

2013年9月に2020年のオリンピック開催都市が東京に決まったときにワクワクしなかったという宇野常寛さん。それは1964年の東京オリンピックの焼き増しのようなものを想像したからだと思います。だったら自分達でオリンピックのプロジェクト案を提案しようというのが始まりです。

 

(宇野)僕と同じ思いを抱いた人は特に若い世代では多いだろうし、だからこそ、僕らも乗れるオリンピックのプロジェクト案を自分たちで出すべきではないか、というのが本誌の企画のはじまりです。
 「あの頃はよかった」と懐古に浸るのではなく、「21世紀の日本はこういうものにする」というビジョンをオリンピックにぶつけ、ポジティブな議論のきっかけにしたいとの思いで、具体的なアイデアを持っている人たちに声をかけさせていただきました。


「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

Aパート:オルタナティブ・オリンピック/パラリンピック・プロジェクト

 

Aパートは猪子寿之さん率いるチームラボがデジタルテクノロジーやソーシャルメディアを使ったオリンピックの開会式のプランを提示しています。鑑賞モデルのオリンピックから「参加」「体感」型のオリンピックへ。

 

(猪子)記憶に残るオリンピックというのは、新しいメディアやテクノロジーによって劇的に楽しみ方を変えたもののような気がする。2020年のオリンピックで、「日本って、やっぱすげぇ」って思ってもらうためには、記憶に残るオリンピックにならないといけない。じゃあ、記憶に残るものって何かというと、ある種の未来を提示することじゃないかと。
 テレビが登場して、メディアのフォーマットが変わった。それと同じように今は、デジタルテクノロジーがネットを発達させ、マスメディアとは違ったソーシャルメディアを作り、空間そのものをメディアに変えつつある。鑑賞するものから、身体で体感できるメディアへと変わりつつある。
 オリンピックも基本的には鑑賞モデルだけれど、21世紀に入って20年後に開催される東京オリンピックこそ、鑑賞型モデルから、参加したり、体感するオリンピックになったら面白いんじゃないかというのが、今回のプランですね。 

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

そして乙武洋匡さんはオリンピックとパラリンピックとの統合を模索しています。100m走を健常男子の部、視覚障害の部、車椅子の部、義足の部、といったように。

 

(宇野)20世紀までの人間社会って、自由だ平等だと言っておきながら、究極的には五体満足かつ、ある種、知的にも訓練をうけた成人の、それも男性を前提にしか設計されてこなかったというのが問題になっている。それが露呈するのがオリンピックです。 

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

健常者と障害者が一緒に楽しめるユニバーサルスポーツも広がってきています。「ブラインドサッカー」なんかはプロブロガーのイケダハヤトさんが参加されています。

 

乙武日本だけでなく世界的に、男性/女性、若者/高齢者、健常者/障害者といったふうに、カテゴライズをすることで、社会は効率的に運営されてきました。でも、ここ数年、ボーダーレスになりつつある。健常者と障害者が一緒に楽しめるユニバーサルスポーツも広がり、海外では、車椅子バスケに健常者が参加できる国もありますし、視覚障害者が鈴が入ったボールで行う「ブラインドサッカー」に健常者がアイマスクをしてプレイするということも最近、見かけるようになりました。
 ユニバーサルなルールで、障害の有無関係なくやれるというスポーツ文化になっていくのが僕の理想だし、そのスタート地点が日本だったよね、と振り返ってもらえるようになったら素敵だと思います。

目隠しでサッカーをする。ブラインドサッカーの体験会「オフタイム」に参加したよ : まだ東京で消耗してるの?

 

Bパート:東京ブループリント

 

Bパートでは「東京5分割計画」や「東京イデオロギーマッピング」など都市開発や都市計画といった東京論が繰り広げられています。そして制度といった目に見えないものの話も。

 

乙武つまり、アップル的なつくりにしていくべき、ということですよね。確かに日本はウィンドウズ的というか、論理的に順序立てていかないと答えに辿り着かないシステムになっている。日本にはほぼ日本人が住んできたから、いまだに日本人がわかれば成り立つというシステムに立脚していますからね。

(猪子)ルールがあまりにも複雑で、全部遂行することが高度になっているから、ルールが守れることがかっこいいと見なされる。そうではなくて、ルールを減らし、多言語ではなく非言語を用いたデザイン、アフォーダンスの概念だったり、ITの技術だったりで、シンプルな町になったらいいなと。

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

「バラバラのものを一つのまとめる」のではなく「バラバラのものが、バラバラのまま共存する」っていう発想はPLANETS vol.9の根底にある重要な思想だと思います。

 

(宇野)日本人って、多様なものを包摂しようと思うと、無理やりひとつにまとめることを考えてしまいがちですよね。だからどうやって外国人に自国のルールを教えるのかという発想になってしまう。でも、もうその発想は捨てるべきでしょうね。近代オリンピックがある時期まで国家統合のために利用されてきたことは間違いない。今でも、開催国によってはその側面は否めない。しかし、2020年、東京での2度目のオリンピックに求められるのは、むしろバラバラのものが、バラバラのままひとつのイベントに参加して大規模が実現するモデルの提示だと思うんです。それはメディアの問題でもあって、1984年のロス以降のテレビ中継のためのオリンピックというかたちでは無理で、やはり猪子さんの提案するようにインターネット時代のモデルをつくるしかないと思う。テレビは人々の関心を一点にまとめるタイプのメディアだから。

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

Cパート:世界を大いに盛り上げるための裏五輪=サブカル文化祭

 

そしてCパートは体育祭に乗れないオタクが盛り上がるサブカルのイベントをやろうという企画です。これも”多様性”がキーコンセプトになっています。

 

(宇野)「Cパート:2020年の夏休み」で提示しているコンセプトもそれなんです。オリンピックを口実にサブカルのイベントがあったら、体育祭に興味のないオタクも盛り上がるでしょ、という話で。陸上マニアのお父さんが筋肉ムキムキの選手を競技場で見ている間に、全然、スポーツに興味のない娘さんは原宿でカワイイファッションを見てくればいい。これって、何でもないことのようなんだけれど、かなり重要なことで。ひとつのイベントで皆が、同じ夢を見なくてもいい。大きくはひとつのイベントだけれど、そこでバラバラの夢を見ていいというのは、単にオリンピックのモデルだけではなく、社会モデルの提示につながっていく。

(猪子)オリンピックをきっかけに、社会のモデルを変えていこうと。

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

”多様性”を受け入れる”寛容性”もまた重要な概念です。滝川クリステルのスピーチで日本はさも「おもてなしの国」みたいな印象を海外に伝えたかもしれませんが、それぞれの国や地域、民族の文化やローカル・ルールがあるわけで、そうした”多様性”をそのまま受け入れる”寛容性”こそが「おもてなし」なんだという話です。

 

(猪子)ひとつに集中するのではなく、多様で多層的なものが寛容的に受け入れられる社会っていうのは、自由だよね。あとね、日本の「おもてなし」が素晴らしいっていう幻想を捨てるべき。さっきの話にもつながるけど、日本って、多様性を受け入れず、「国民にとっての普通」というのが無意識に規定されていて、それが「人間にとって普通」みたいな意識が強い。同性愛に対してもそうだし、サービス面でもそう。だから、その「普通」を守る人はもてなされるかもしれないけれど、ちょっとでもそこから外れると、一気に「おもてなし」はゼロになり、ひどい仕打ちを受けることになる。
乙武僕が「おもてなし」でいちばん怖いなと思う誤解は、「何かをしてあげること」だと思っているところですね。猪子さんの話にも通じますが、相手のあり方を受け入れることこそが僕は「おもてなし」だと思う。「おもてなし」をウリにしている割には、日本ではその点が著しく欠けている気がします。

(宇野)「おもてなし」がローカル・ルールの強要になっているからね。

(猪子)例えば、日本のホテルでは食事の選択肢もない。海外だといろんな思想の人がいることが前提だから、まあまあ対応できるんだけど。
乙武ベジタリアンメニューやイスラム食であるハラールを用意しているところもほとんどないですしね。「これを食べてください」という押しつけが「おもてなし」ではなくて、「あなたが望むなら、こういうのも用意しておきますよ」というのが本当の「おもてなし」だと思うんですよね。ただ、オリンピック・パラリンピックの開催期間中、都内のレストランはすべてベジタリアンメニューを用意しなくてはいけない、というようなルールを作るのも違いますよね。どうしたら、そうした選択肢を増やす方向にむかえるのか、と議論する方向にもっていきたい。

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

Dパート:オリンピック破壊計画

 

最後のDパートはなにやら物騒なフレーズですがセキュリティ・シュミレーションです。テロリストの発想や行動を先回りしてあらかじめ対策を打とうということです。

 

 

2020年はゴールではなくスタート

 

日本は高齢社会ではありますが実は一番多い年代は30代です。20代も70代より多い。つまり特に若い世代はポスト2020年の新しい日本をつくっていく役目があります。PLANETS vol.9にはその具体的なビジョンとロードマップが示されています。

 

PLANETS vol.9を持って、街へ出よう!

 

(宇野)2020年ってゴールではなくて、スタートなんですよ。今、日本っていうのは、いい時代は過ぎて後は黄昏を迎えていくだけで、文化文政時代のような爛熟を楽しもうと思っている昭和の日本人と、俺たちの人生長いんだから、新しい日本をつくってもっといきいきと生きていこうという21世紀の日本人とが分断されている。2020年の東京オリンピックで、僕たちは自分たちの社会の主導権をとれるのかどうか、そういうゲームでもあるんです。

「オリンピックをHACKせよ――日本を再設計するための2020年」猪子寿之×宇野常寛×乙武洋匡 | PLANETS編集部

 

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