宇野常寛さんが編集長を務める雑誌「PLANETS vol.9」をやっと読み終えました。失ってしまった何かを「取り戻す」のではなく、これからの社会と文化を「創り上げる」ための実行可能なオルタナティブオリンピック計画書である「PLANETS vol.9」は本当必読の書です。
東京5分割計画
そんな「PLANETS vol.9」のBパート「東京ブループリント」の目玉である「東京5分割計画」の中で空き家・空き室の有効活用がふれられていました。
planets9 目次紹介! 門脇耕三とストレンジウォーカーズ「東京5分割計画」 メガシティ・東京を5つの地区に分け、それぞれの特性をいかした未来の姿を考える。 pic.twitter.com/5JhQKJJXCM
— PLANETS/第二次惑星開発委員会 (@PLANETS_9) 2015, 2月 18
空き家の有効活用に行く前に「東京5分割計画」とは何か?それは大きくなりすぎた東京を適正なサイズに分割することでそれぞれのエリアの個性を最大限発揮させる、ということだと解釈します。
東京は、意思決定主体としては巨大になりすぎた。変革のため、このメガシティに必要なのは、適切なサイズへの分割である。東京5分割計画ーそれは自らの分裂症を肯定し、しかし分裂とのストラグルを通じて、東京が主体性を宿すための処方箋なのだ。
東京は大きすぎる都市なのです。ニューヨークもロンドンも、東京ほど規模が大きくない。東京は異様にふくらんだ都市です。しかもこの先、日本はどんどん東京一極集中になり、ますます大きくなっていきます。そこで、「東京をもう少し適切なサイズに分割してはどうだろう?」という目的に基づき、「東京5分割計画」というものを考えているのです。
都心に通勤するホワイトカラーの居住地としての西区
東京都区部の西側は都心に通勤するホワイトカラーの居住地として古くから開発が進められてきました。具体的には大田区、目黒区、世田谷区、杉並区、三鷹市、調布市といったエリアです。
空き家・空き室の有効活用
そして様々な空き家・空き室の有効活用のアイデアが提案されています。空き家・空き室に単純に住むだけでなく商業利用することで”ゆるい経済圏”が生まれる可能性があります。
例えば戸建て空き家がギャラリーやカフェ、雑貨店に姿を変えたり、というケースが最近増えています。これはどちらかというと商売というよりはむしろ趣味的に営まれていることが多いですが。
さらに空き家をシェアハウスなどとして活用し、住宅に困窮している人のセーフティーネットとしての役割を果たす、という。
そして、空き家や空き室をコワーキングスペースやシェアオフィスなどとして活用することも大きな可能性があります。空き家から事業が生まれれば新たな経済圏が生まれます。
PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト
- 作者: 宇野常寛,吉田尚記,猪子寿之,乙武洋匡,岡田武史,古田敦也,有森裕子,井上明人,門脇耕三,南後由和,速水健朗,落合陽一,水口哲也,鈴木英敬,達増拓也,白井宏昌,浅生鴨,夏野剛,増田セバスチャン,井上伸一郎,安藝貴範,伊藤博之,田中秀臣,井上敏樹,中川大地
- 出版社/メーカー: PLANETS
- 発売日: 2015/01/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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