マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

空き家の活用で「最貧困女子」問題を解決できないかと思案している件

ピケティ、川崎の事件、最貧困女子

 

ピケティの格差論川崎の事件を受けてひとり親世帯が再びクローズアップされていること、そして新書大賞2015に選ばれた「最貧困女子」が話題であること、などなど”格差”や”貧困”というものが以前よりもリアルに感じられるようになってきました。個人的に。

 

そしていつものように”空き家”でグーグルアラートかけて相変わらず”空き家”について情報収集していたんですが、こちらの記事が目にとまりました。

 


風俗嬢にもなれない「最貧困女子」問題の解決法とは?[橘玲の世界投資見聞録]|橘玲の世界投資見聞録 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン

 

『風俗嬢にもなれない「最貧困女子」問題』って・・・。これは非常に深い闇のような”格差”や”貧困”の世界が広がっているのではないか、と思って記事を読んでみました。そもそも”空き家”でグーグルアラートに引っかかったわけで、この記事は”空き家”になんらか関係しているわけです。

 

人的資本、金融資本、社会資本

 

”貧困”の逆は”富”でしょう。では”富”は何から得ているのか?この記事の執筆者の橘玲さんによると人的資本、金融資本、社会資本からだと言います。

 

ひとは人的資本、金融資本、社会資本から“富”を得ている。人的資本は働いてお金を稼ぐ能力、金融資本は(不動産を含めた)財産、社会資本は家族や友だちのネットワークだ。この3つの資本の合計が一定値を超えていれば、ひとは自分を「貧困」とは意識しない。

風俗嬢にもなれない「最貧困女子」問題の解決法とは?[橘玲の世界投資見聞録]|橘玲の世界投資見聞録 | 橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方 | ザイオンライン

 

つまりこれら3つの資本が乏しい状態を”貧困”と定義しています。若年層にとって金融資本を持つというのはなかなか難しい(相続などはあり得るけれど)ので、人的資本をメインに働いて稼いで自立するのがメインになるでしょう。そして家族や友人などの社会資本が充実していれば生活に彩りが生まれ、いざという時のセーフティネットとして捉えることもできます。

 

マイルドヤンキーと違う貧困層

 

貧乏と貧困は違う」と社会活動家の湯浅誠さんが言います。つまり、地元に残り地元の仲間を大事にしてそのまま大人になって週末はショッピングセンターに行き、それはそれで楽しく生活している「マイルドヤンキー」なんかは社会資本が高いので、たとえ所得が低くても”貧困”ではないことになります。

 

若い女性は貧困と無縁ではない

 

記事から脱線しました。これまで若い女性は貧困とは無縁だと考えられきたわけです。つまり「若さ」を売りに「水商売」や「風俗」で稼げた。しかし2000年あたりを境に風俗の世界も大きく変化してきているようです。

 

ひとつは少子高齢化と価値観の多様化(草食化)によって風俗の市場が縮小したこと、もうひとつは女性の側に「身体を売る」ことへの抵抗がなくなって風俗嬢志望者が激増したこと。需要が減って供給が増えたのだから、当然、価格は下落する。これが「セックスのデフレ化」で、かつては月100万円稼ぐ風俗嬢は珍しくなかったが、いまでは指名が殺到する一部の風俗嬢の話でしかなく、地方の風俗店では週4日出勤しても月額20万円程度と、コンビニや居酒屋の店員、介護職員などとほとんど変わらないという。

貧困線上にある若い女性にとってさらに深刻なのは、景気の悪化によって風俗業界が新規採用を抑制するようになったことだ。そのため現在では、10人の求人のうち採用されるのはせいぜい3~4人という状況になっている。日本社会は(おそらく)人類史上はじめて、若い女性が身体を売りたくても売れない時代を迎えたのだ。

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つまり、金融資本や社会資本をほとんど持たずに地方から都会にやってきた若い女性の中には唯一の人的資本であるセックスすらマネタイズできない層がいるという。当然、安定収入は見込めず、心身ともに健康を害していくでしょう。

 

「最貧困」の世界に落ちてしまう原因

 

「最貧困」の世界に落ちてしまう原因は何か?それは人的資本、金融資本、社会資本の3つの資本が乏しいことに加え「3つの障害」があると「最貧困女子」の著者・鈴木大介さんは言います。つまり精神障害、発達障害、知的障害です。

 

鈴木大介氏は多くの最貧困女子を取材したなかで、そこには「3つの障害」があるという――精神障害、発達障害、知的障害だ。これは現代社会の最大のタブーのひとつで、それを真正面から指摘したことが『最貧困女子』が高く評価されるべきいちばんの理由だろう。

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行政は何をやっているんだ、と思いますが、相談や申請に来る人は対応しやすいけれど、「3つの障害」のどれかを持った人を対応するのはなかなかしんどいわけですね。家族や友人、地域、行政と社会との接点を持てないのが「最貧困女子」問題の真相だと思います。

 

住む場所さえあれば次への第一歩を踏み出す準備ができる

 

そこで解決策ですが、橘玲さんによると「最貧困女子が乗り越えなければならない最大のハードルが住居であること」と言います。つまり「ハウジングファースト」です。

 

最貧困女子が乗り越えなければならない最大のハードルが住居であること。日本では家を借りる際に保証人を要求されるが、社会資本を失った彼女たちにはこの要件をクリアすることができない。子どもを抱えたシングルマザーの場合、住み込みの仕事が最適だろうが、そのような募集はたとえあったとしてもきわめて競争率が高く応募してもすべて落とされるのだという。

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全国で空き家は余っているので、事業としてなのか制度としてなのか、吟味が必要ですが空き家を活用することには大きな可能性を感じます。