マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

”映画の街”の復興と地域の交流拠点を目指す「キネマフューチャーセンター」(商店街の空き店舗活用事例)

”松竹映画発祥の地”蒲田

 

東京都大田区といえば約4,000もある”町工場の街”ですが、1920年〜30年代は”映画の街”としても名を馳せました。大正9年(1920年)に「松竹キネマ」の蒲田撮影所が設立され多くの映画が制作、上映されました。当時の蒲田周辺には何人もの俳優や女優が住み、モダンな商店が建ち並び、華やかな街だったといわれています。つかこうへいの「蒲田行進曲」はこの蒲田撮影所を舞台にしたことで有名です。JR蒲田駅の発車メロディーは蒲田行進曲ですし。しかし17年後の昭和11年(1936年)に撮影所が大船に移転します。跡地は高砂香料工業株式会社の生産工場になりましたが環境問題などにより工場立地としての規制が厳しくなり移転。現在は平成10年(1998年)にオフィス・商業ビル「ニッセイアロマスクエア」「アロマプラザ」とそれに隣接する区民ホール「アプリコ」からなる文化施設が建てられています。

 

キネマ通り商店街の空き店舗活用

 

そんな”映画の街”としての蒲田の歴史と文化を再発見し、街を盛り上げて行こうという取組が始まっています。シャッター通り化が進むキネマ通り商店街の空き店舗を「キネマフューチャーセンター」としてリノベーションし”映画の街”の復興と地域の交流拠点を目指します。

 

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画像引用元:朝日新聞) 

 

実際に行ってきました。元フトン屋の2階建て店舗をリノベーションしています。

 

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商店街活動事例|東京都商店街ホームページ

 

東京都大田区初の民設民営のインキュベーション機能を持つ創業支援、起業支援の場です。

 

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キネマフューチャーセンター

 

約70店舗が軒を連ねる商店街の約6割が空き店舗

 

京急蒲田駅から徒歩5分にある「キネマ通り商店街」ですが、”映画の街”としてにぎわった最盛期の昭和30年代から時代は変わって現在は500mほどの通りに約70店舗が軒を連ねる商店街ですが、今は約6割が空き店舗です。そこに危機感を感じた映画による地域活性化を目的に活動するNPO法人ワップフィルム理事長の高橋和勧さんが女性の起業支援をしている合同会社VALNと協力して立ち上げたのがキネマフューチャーセンターです。

 

閉店したままの布団店の建物の古さを生かした改修で、建て替えるよりも低コストで済んだ。1、2階で延べ約55平方メートル。昭和のたたずまいがある2階はそのまま残した。6畳の和室は学生の合宿用にも使えるという。

朝日新聞デジタル:会員登録のご案内

 

3つの機能

 

キネマフューチャーセンターは3つの機能を持っています。多様な人が気楽に立ち寄れる地域のたまり場としての「コミュニティカフェ」。利用者が自由に事務作業や仕事が出来る共有スペースである「コワーキングスペース」。映画の上映セッションをしながらまちづくりについて考える「フューチャーセンター」です。

 

映画「商店街な人」

 

映画で街を盛り上げるっていう手法がいいですね。

 

 

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