時代は変わる
新年あけましておめでとうございます。いつもこのブログを読んでくださってありがとうございます。今年も空き家活用や空き家問題について書いていきます。さて、ボブディランの「時代は変わる」よろしく、住まい領域のトレンドも大きく変わりつつあります。
Googleトレンドの検索ボリュームで「新築住宅」と「リノベーション」とを比較したところ、明らかにリノベーションのほうが世の中の関心を集めているのがわかります。
今後の”予測”を見ても両者の差は開く傾向にあります。点線が”予測”値です。
「リノベーション」が世の中に浸透しつつある
リクルートが住宅購入検討者に行ったアンケートによると、2007年には約70%だった「リノベーション」の認知は、2014年には約96%にまで高まっています。そして「リノベーションという言葉も知っていて関心がある」人も2007年のときは19%だったのが2014年には51%と倍増しています。
住宅購入検討者の2人に1人がリノベーションを知っていて関心もあります。
リノベーションはもっと身近で手軽なものになりつつある
でもリノベーションってまだまだお金も時間も手間もかかるし、一部のオシャレな人たちがやるものでしょ?というふうに思い人もいると思います。しかし、「セルフリノベーション(DIY)」という考え方や手法が急速に広がっています。”プロ仕上げ”の”かっこいいデザイン”からもっと身近で手軽になりつつあります。改修工事を”自分たち”(DIY)でやり友達や家族と一緒に”パーティ感覚”で楽しみ、”作るプロセス”を重視するというものです。SNSで仲間を募ったり”作るプロセス”を共有・拡散することもポイントです。
今年の住まいのトレンドは「リノベパーティ」
リクルートが毎年、住まい、飲食、美容などの8領域ごとに一年間のトレンド予測とトレンドを表すキーワードを発表しています。住まい領域では「リノベパーティ」がキーワードとして挙げられ、みんなで楽しく部屋をつくり挙げる新しいスタイルが登場すると予測しています。
2015年のトレンド予測を発表 | リクルートホールディングス - Recruit Holdings
カスタマイズ可・DIY可賃貸物件の増加
結構普通に街を歩いていて不動産屋さんのチラシを見ると「カスタマイズ賃貸」とか出回っています。SUUMOでもカスタマイズ賃貸を紹介していたり、改装可能賃貸専門のサイトが登場したりしています。
DIYのイメージは若い層を中心に「オシャレ」「楽しい」に変わってきている
部屋の壁紙や床を張り替えたり、棚を作ったり、間取りを変えるのって一見面倒くさいと感じるかもしれません。でも実際に若い層を中心に「楽しい・ワクワク」「オシャレ・かわいい・かっこいい」といった肯定的なイメージが広がりつつあります。
セルフリノベーションを練習出来る専用ショップも登場
セルフリノベーションって建築学部出身の人とか不動産関係の仕事の人がやるものでしょ?っていう反論もあると思います。これも初心者でも出来ることからやれるように専用ショップやスキルを学べるイベントなんかも結構やっていたりします。
国土交通省も「借り手DIY」を後押し
借り手・住まい手がセルフリノベーションする賃貸住宅のあり方には国土交通省もガイドラインをまとめるなど後押ししています。
借り手がDIYできる賃貸物件も増えている。賃貸の場合には退去時に、借りたときの状態に戻す「原状回復」の義務があるが、貸主が許容した範囲についてはその義務を負わなくてよいという物件だ。国土交通省も「借主負担DIY型」の賃貸借契約のガイドラインを提示するなど、その普及に努めている。
2015トレンド予測発表、住まい領域は「リノベパーティ」 | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
まとめ
空き家・空き室の増加や人口減少に伴い、危機感を持った大家さんや自治体では試行錯誤して空き物件のバリューアップに力を注いでいます。そして編み出されたが「セルフリノベーションやカスタマイズ可能な賃貸物件」で、SNSを使いこなし横のつながりを大事にしたり堅実な目標を立てる若者世代とが結びついて「リノベパーティ」というのはムーブメントの兆しを帯びています。
家族や友達とのつながりを大切にし、現実的な目標を立てる若者世代が、住宅市場の主役になっている。こうした世代には、リノベパーティは魅力的に映ることだろう。このムーブメントが既存の住宅の質を高めることにつながるとよいと思う。今後の広がりが楽しみだ。
2015トレンド予測発表、住まい領域は「リノベパーティ」 | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
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