徳島県神山町の「空家町屋プロジェクト」
昨日に続き徳島県の空き家再生の取組についてメモします。徳島県神山町で「創造的過疎によるまちづくり」は以前にもまとめましたが、2010年に今につながる”空き家を改修したサテライトオフィス”の先鞭をつけた取組「空家町屋プロジェクト」を手掛けた建築家の坂東幸輔さんのツイートに”空き家再生まちづくり”のエッセンスが詰まっているので抜粋させていただきます。
文化財活用やリノベーションなどまちづくりにもいろいろ種類があるが、私の活動は「空き家再生まちづくり」という言い方がしっくりくる。神山町以外で活動することで、社会の要請や自分の興味がはっきりした。5年前に神山で活動を開始する際、須磨さんと「空家町屋」と名付けたのは先見の明があった。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 27
NPO法人グリーンバレーの大南信也さんの講演
出来ない理由よりも出来る方法を探す。とにかく始めろ!という言葉、発想は大事。
神山塾での大南信也さんの講演に学生達と参加。塾生だけでなく、長岡市、軽井沢など様々な地域から話を聞きに来ています。特別に神山が盛り上がる前の隠された10年を詳しく紹介して下さっています。大南さんのトークが洗練されて、もはや噺家レベル。 pic.twitter.com/ggP09vRMHl
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
まちづくりの話合いの場で否定ばかりするアイデアキラーを撃退するため大南信也さんが仲間達とキーワードにしたのは「出来ない理由より出来る方法を」と「とにかく始めろ!(Just do it!)」。それが現在の「やったらええんちゃうん」に集約されていった。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
行政は前例に無いことには進んでやろうとはしない、それは”無謬性の神話”とか失敗をとにかく恐れる、というか事なかれな組織体質は構造上そういうものだという前提にたって自ら実践してみて成果を出して認めさせた日本初のアドプト・プログラム。
アドプト・プログラム、ボランティアで公共の道路を清掃し団体の名前の入ったサインボードを設置する取り組み。神山が日本初。道路に個人名・企業名の入ったサインボードを設置することが行政の許可を取る際の障害となった。グリーンバレーは自主活動(強行突破)で事例を作って認めさせた。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
図書館の価値って本が読み継がれて行く場所っていうことかも。
神山アーティスト・イン・レジデンスの作品「隠された図書館」、町の人が人生で影響を受けた本を預けることができる。図書館の数十年後の姿が神山の目指すべき未来だと大南信也さん。まちづくりではすぐに結果を求めるのではなく、自分たちの子供や孫の時代を変えるくらいの気持ちで行なった方がいい。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
「アートによるまちづくり」は資金や専門家といった資本の有無で違う。
「アートによるまちづくり」には2つの手法がある。ひとつは越後妻有や瀬戸内のような見学に訪れる観光客を呼ぶためのアート。資金が少なく専門家のいない神山は制作に訪れる芸術家の満足度を上げて「場の価値」を高めるためにアートを用いた。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
NPOグリーンバレーが発信するウェブサイト「イン神山」の作成において参考にしたのは「R不動産」のサイト。
グリーンバレーがウェブサイトイン神山(http://t.co/nbKVnQjYj7)のコンテンツ「神山で暮らす」で参考にしたのはR不動産。家賃や面積、方角、立地など既成の不動産価値のみで語らず、どのような暮らしが出来るかという本質的な価値で物件を説明しているから。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
単純に空き家を改修してサテライトオフィスにすればまちが盛り上がるのではない。結果ではなく過程を真似ろ、ということ。
サテライトオフィス事業は最初から狙っていたわけではない。神山町に入ってくるアーティストや建築家、クリエイター、起業家などとグリーンバレーが一緒になってやりたいことを実現したことで、サテライトオフィスが生えてきた。自然と生まれたものなので神山の現状に適したプログラムになっている。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
アートから始まった神山の地域再生、企業誘致としてのサテライトオフィスに発展し、それに伴ってサービス産業が生まれた。今後は移住者を中心にオーガニックフードを生産する活動、農業に取り組む人が活発化していくだろう。他の自治体はいきなり本丸の農業から攻めようとするから上手くいかない。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
地元の人には見えていない(意識していない)価値のある建物(や食べ物、文化や歴史など)がある。
DRAWING AND MANUALの菱川勢一さんが神山町にサテライトオフィスを構えるために選んできた古民家は、地域の人には理解出来ないオンボロ物件だった。そこから学んだのは、地域に残るものの価値判断を自分たちだけで行なわず、相手に任せること。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
サテライトオフィス、カフェ、靴屋が続々。
プラットイーズは古民家を再生してえんがわオフィスを作ったことで神山町に若者にとって魅力的な働く場を創造した。新築のアーカイブ棟内ではこれからスーパーハイビジョン映像保存事業(4K・8K)という先進的な取り組みを行なう。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
日本全国同じ店舗が並ぶバイパス商店街には魅力が無い。えんがわオフィスやカフェ・オニヴァ、最近ではオーダーメイドの靴屋がオープンした神山町の寄井商店街。空き家を活用して、少しずつ埋めていくことで他にはどこにも無い商店街が出来てきている。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
移住促進、職業訓練、婚活的な役目も。
人材育成事業、神山塾は神山に大きな影響を与えた。これまで77名の参加者のうち、50%が移住し、10名がサテライトオフィスに雇用、9組のカップルが生まれた。職業訓練のみならず移住促進や婚活的な役目も果たしている。塾生は20代後半から30代前半の東京周辺出身の独身女性が多い。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23
面白い人たちが移住して大きな変化を起こす。
神山は大南信也さんがいるからという人が多いが、神山は移住者を受け入れたことで移住者が大きな変化を起こしている。
— 坂東幸輔 (@kosukebando) 2015, 1月 23