マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

千葉県松戸駅前のまちづくりプロジェクト・MAD Cityが目指す「クリエイティブな自治区」とは?

まちづくりプロジェクトを進める街を選ぶための3つのポイント

 

News Picksに取り上げられている千葉県松戸駅前のまちづくりプロジェクト「MAD City」の特集記事第3弾にして最終回から。MAD Cityプロジェクトを立ち上げた寺井元一さんは松戸出身でもなければ、松戸在住でもない。そんな寺井さんが、まちづくりプロジェクトを進める街になぜ松戸を選んだのでしょうか。それは3つのポイントがあります。

「今まで一度も松戸に住んだことはなく、今も埼玉から『通勤』しています。もともとは、松戸へのこだわりはありませんでした」

当初、寺井はさまざまな土地を歩き回った。重視していた点は、「空き家の数」「掘り起こす歴史がある」「地元住民のモチベーション」の3点だ。

よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

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(画像引用元:よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

 

掘り起こすべき歴史があった

 

2番目の「掘り起こす歴史がある」については、かつて江戸時代に宿場町として栄えた松戸の街の歴史があることです。歴史ある商家や古民家もポツポツ残っています。江戸時代から住んでいないと「地元の人」とは見なされないなんて発想はなかなかないです。 

akiya123.hatenablog.com

 

街の歴史とはまちづくりにおいて大きな武器になります。歴史の中に眠っている資源を掘り起こすという感じです。

「歴史を持つまちには当人たちは気が付いていないよさが必ずある。その歴史・地脈から新たな文脈やコンセプトを生み出すことができれば、それはまちづくりの大きな武器になる」

一般的に、行政や地主たちに対して、「アーティストやクリエイターによるまちづくり」と話すと、「理解できない異質なもの」として嫌厭(けんえん)されることがある。それを「地域の歴史を掘り起こし、まちづくりにつなげる」文脈をデザインすることで乗り越えてきた側面があるという。

よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

 

よそ者だからできる試行錯誤

 

新潟県・越後妻有の「大地の芸術祭」といった地域アートプロジェクトしかり、「アートによるまちおこし」は全国的に広がっています。ただこういった取り組みはあくまでも街や地域の歴史や文脈があってのことで、どこでも同じようにアートイベントをやればいいわけではありません。松戸の場合、東京のベッドタウンとして発展してきた街なので、アートイベントをやっても一過性に終わってしまいがちです。そこで寺井さんたちまちづクリエイティブでは、地元町内会やNPO、地域住民と協力しながら公共空間の利活用や地域課題解決などを仕掛けていったのです。これはよそものだからこそできる、自由な発想と迅速な行動があるからです。

既存の地域アートプロジェクトでは、地元の商店街や飲食店には、期待したほど人が流れなかった。ならばと、松戸まちづくり会議の設立に関わり、事務局として公共空間の活用と、地域課題の解決を絡めたイベントをアーティストとともに仕掛けた。

飲み屋街の道路を封鎖して一帯を巨大なフードコート化した「高砂通り 酔いどれ祭り」では、1000人近くが宴会を開くに至り、「葬儀場はあるのに、結婚式場はない」と聞けば、江戸川河川敷を利用したアウトドアウェディングを実施した。

よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

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(画像引用元:よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

 

半径500メートルを深堀りする

 

MAD Cityプロジェクトの対象エリアは松戸駅前の半径500メートルです。今後もエリアを広げるのでなく、深掘りしながらより豊かにしていくのが狙いです。そしてMAD Cityプロジェクトが目指す「クリエイティブな自治区」をつくるためには500人のクリエイティブ人材を集めることが重要になってきます。

寺井によると、MAD Cityプロジェクトの命運を握るカギは「2.5%のクリエイティブ人材」を集めること。いわゆる「イノベーター理論」だ。社会学者のエベレット・ロジャースによれば、革新的で冒険的なことが大好きな人間が全体の2.5%集まれば、それが全体に普及していく可能性がある。

MAD Cityエリアの住民は約2万人だから、その2.5%なら約500人。

よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

不動産事業を本格化させた2012年4月以降、MAD Cityプロジェクトにより約200人が住居やオフィスを移してきました。この調子で、物件とクリエイティブ人材を集めていけば面白い街が出来上がるのではないでしょうか。松戸でうまくいけば、次は他のまちへ水平展開です。2016年のMAD Cityしかりまちづクリエイティブの取り組みに期待です。

あえて、“よそ者”として、まちづくりに挑む。一つのエリアに関わり続けながら、次のエリアにも関わる。そんな、「半径500メートル」を生み出し持続させていくまちづくりが、寺井たちが描く未来図だ。

よそ者だからできる“MAD”なまちづくり

 

News Picksのコメント

以下、News Picksについたコメントの中から興味ふかいコメントを抜粋しました。

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