4人に1人は65歳以上
総務省が敬老の日にちなんで公表した集計結果によると、65歳以上の高齢者人口は推計3,461万人で、総人口に占める割合が27.3%と、ともに過去最高の数値となったことが明らかになりました。4人に1人は65歳以上。ますます進む高齢化の中、今回は実家の相続にスポットを当ててみます。
80代の親から60代の子供へ相続!進む老老相続
高齢者が亡くなり、その故人の遺産を同じく高齢の相続人が引き継ぐ「老老相続」が珍しくなくなってきました。下のグラフを見ていただきたいのですが、1989年時点では、相続時に親の年齢が80歳以上だった割合は約4割しかなかったのに対し、2013年には7割近くになっています。つまり、現在の日本では80代の親から50〜60代の子供へという老老相続が、もはや基本的な構図になっているのです。
(画像引用元:週刊ダイヤモンド2016年8/13・8/20合併号41ページ)
50代の約6割は持ち家がある
一方、住宅所有の割合を見ると、50代で6割前後にも達しています。親から実家の相続を受ける時には、すでに持ち家があるという人が大半。つまり、実家を相続したはいいけど、そのまま住むという人は少なくなっています。実家を売却したり、賃貸物件として活用できればいいですが、そのまま空き家として放置というのが残念ながら半分以上を占めます。
(画像引用元:週刊ダイヤモンド2016年8/13・8/20合併号41ページ)
相続には3種類の方法がある
仮に相続財産の中に多額の借金があったりした場合、実家を売っても借金が相殺出来なければ、負債を相続するということになってしまいます。そういうときは「相続放棄」をすればいいのですが、「限定承認」とともに、相続開始日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申請しなければなりません。何も申請しなければ、「単純承認」したと見なされ、借金を含めた全ての財産を相続することになります。
(画像引用元:週刊ダイヤモンド2016年8/13・8/20合併号42ページ)
相続には3種類の方法があるわけですが、相続放棄も限定承認も相続開始を知った時から3ヶ月以内という制限があったり、限定承認はさらに相続人全員が共同で家庭裁判所に申請する必要があるという、手続面のハードルが結構高いです。3種類の相続方法について詳しくはこちら↓
相続放棄しても実家の管理義務は発生
持ち家がすでにあって、実家などの財産を相続放棄したとしても、民法第940条により、実家(空き家)の管理義務は無くならないので要注意です。そういうときは、空き家管理業務を扱っているサービスを利用するのも手です。いずれにせよ、空き家になる可能性の高い実家を相続するときは、親や兄弟姉妹と遺産分割協議について先を見据えて話し合うのが重要です。または、相続財産管理人の選任を行うかです。