古民家をリノベーション
東京都国立市谷保にとても素敵な場所があります!空き家だった古民家をリノベーションして、「働く場所」「飲食する場所」「交流する場所」に生まれ変わっています。
心身を共に癒してくれる、谷保にある「やぼろじ」。古民家をリノベーションして、建築事務所、グラフィックデザイン事務所、カフェ、建築工房、植木屋が同居しているエリアがとっても素敵です。デザイン的なクリエイティブに溢れています!オススメ!! pic.twitter.com/TyNtrCgTOG
— ムサ院デザイン・工芸科 (@musaindesign) 2014, 6月 29
その名も「やぼろじ」。約360坪の敷地に庭、築50年の母屋、離れ、井戸小屋、蔵、畑が備わっており、なんともポテンシャルの高い空間です。元々は地域医療を担ってきた診療所だったようです。しかし、先代が診療所を閉じ、家主は横浜へ移転、10年以上空き家になっていたそう。
しかし、この空き家だった古民家のポテンシャルを顕在化させる取組「谷保の家再生プロジェクト」が2010年6月に始まります。
「活動拠点」「自分の居場所」を探す人たちが空き家・空き地を蘇らす
まずは眠っている空き家を発見する必要があります。日野から国立に引っ越してきた”すがいまゆみさん”がこの空き家に出会ったのは2008年末。もともと「野の暮らし」というユニットを通して、様々な生きづらさを感じる子供たちのための居場所をつくる活動をしており、活動拠点となる場所を探していたそうです。しかし、この空き家を管理する不動産屋さんに賃貸を交渉しても前に進まなかったそう。
そして半年後の2009年夏のある日にたまたまオーナーさんを発見。その場で「貸してほしい」とお願いしたそうです。その結果、まずは”畑の開墾”からスタートします。
大家さんは、家は貸せないけど、畑ならということで、この家から200mほど先に行った路地にある場所を貸してくれた。すがいさんは当時、草が生い茂る荒れ地だったその場所の開墾に、「野の暮らし」のこどもたちや近所の人たちとともに挑んでいく。畑を「居場所」とすることにしたのだ。
そしてその頃、”WAKUWORKSの和久倫也さん”も「自分の居場所」を探していました。
彼は、人も自然もひとつながりである、という想いのもと、皆が心地よく感じる、わくわくできる場所づくりをめざす一級建築士だ。土や木を身近に感じられる暮らし、緑が見えたり、鳥の声が聞こえてくる空間を、仕事を通じて皆に提案する一方、自分自身もそのような働き方と暮らし方の場を求めていた。
ちょうど仕事のつながりで”すがいさん”と親しくしていた”和久さん”はすがいさんの畑の一角を間借りしていて、すがいさんと同様、この空き家のポテンシャルに魅せられていた和久さんは首都大学東京の饗庭伸准教授とともに空き家再生プロジェクトを構想していきます。
2010年5月「谷保の家再生プロジェクト」始動
”すがいさん”たちが開墾を初めて半年後の2010年春、すっかり蘇った土地を見てオーナーさんはとても喜んだそうです。そして、その場で空き家再生プロジェクトを提案。了解が取れ、2010年5月「谷保の家再生プロジェクト」が始動します。
(画像引用元)空き家オーナーさんとの調整、コミュニケーションからスタートするようです。
空き家再生参加型ワークショップ
空き家を再生するに当たり、プロジェクトの責任者である”和久さん”は出身大学である首都大学東京で都市計画やまちづくりの研究と実践を行う饗庭伸准教授に相談。庭の草刈りや庭木の剪定、建物の清掃・修繕などの作業を地元の知り合いに呼びかけ、参加型ワークショップ形式で進めて行きました。
土地の持ち主をはじめ、地域住民、庭師、大工、学生など、世代や職種の異なる人たちが集まり、それぞれ得意とする分野を担当することで、約三百二十坪の敷地は徐々に整備されていった。
『仲間がいる安心感』 和久倫也さん - 人がイキル | 3月20日発行 4月号 | エリアマガジン「ののわ」 | ののわ
様々な人たちが空き家再生に関わることで、当事者としての責任や愛着が生まれると思います。
2011年5月「やぼろじ」オープン
そして2011年5月にオープン。
母屋や庭の手入れ、改修工事を経て、この場所は蘇った。敷地を囲っていた塀も取り去り、路地に開かれた場所ということで、「やぼろじ」と命名。カフェ、工房、ガーデン、オフィスを持つ、複合的なコミュニティとして、2011年5月、ついにオープンした。
カフェ、工房、ガーデン、オフィスという空き家・空き地活用の可能性を十二分に引き出しています。
(画像引用元)
WAKUWORKS
一級建築士事務所です。管理建築士は”和久さん”。業務内容は建築・インテリアの設計監理や古民家再生・まちづくりのコンサルなどです。
about / WAKUWORKS - ワクワークス一級建築士事務所
株式会社やまもり
定食も食べられるカフェ。栄養バランスがあって地産地消、さらに季節ごとの旬の素材を使った和食が食べられます。
(母めし)
circle-d
工房兼ギャラリーも。「土器づくりワークショップ」などなかなか体験できないですよね。
(画像引用元)
core garden
裏庭にはおしゃれなイングリッシュガーデンが。ガーデンパーティーも行われます。
(画像引用元)楽しそうですね。
(画像引用元)賑やかです。こうしたイベントで多くの人に取組やお店を知ってもらうことが出来ますね。
野の暮らし・はたけんぼ
畑や田んぼを日常の暮らしの中に取り入れようという取組。そういえば三鷹のぼくの家の近くにも市民農園があります。気軽に農業体験するのもいいですね。
首都大学東京饗庭伸研究室
空き家再生参加型ワークショップの際には首都大学東京の学生を呼んだり、ワークショップの手法など大きな力になっていると思います。
(Shin Aiba lab. | 首都大学東京 都市環境学部 建築都市コース 都市計画・まちづくり研究室)
まとめ
「活動拠点」や「自分の居場所」を探している人や人口減少時代のまちづくりを考える人などが「空き家に関わっていく」ことでこうした素敵な取組が生まれています。敷地も広いということで複合的なコミュニティを作ることが出来ています。空き家や空き地を見て、こんな風な活用が出来ると面白いんじゃないか、という風に考えるとアイデアが生まれると思います。
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