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空き家を活用して新しい価値をつくる

自民党が”物件の囲い込み”解消に向けたレインズルールの抜本的改善などをまとめる

自民党が中古住宅市場活性化に向けた提言をまとめる

 

不動産業界の重大な問題行為として最近特に指摘されていた”物件の囲い込み”(以下、囲い込み)ですが、ついに政治も動き出しています。というのも、囲い込みの解消に向けたレインズ(全国の不動産会社の共通データベース)ルールの抜本的改善を含む、中古住宅市場活性化に向けた8つの提言がまとまりました。

 

自由民主党政務調査会・住宅土地・都市政策調査会の中古住宅市場活性化小委員会(委員長:鶴保庸介参議院議員)は26日、中古住宅市場活性化に向けた提言をまとめた。欧米に比べ市場が小さいわが国の中古住宅市場の課題を抽出。市場拡大のため必要な改革を8つの提言としてまとめたもの。今後の中古住宅流通業界の政策に反映する。

「囲い込み」解消やインスペクション活用など8つの提言示す/自民・中古住宅市場活性化小委員会

 

レインズルールの抜本的改善とは具体的には、売主が直接、物件がレインズに登録されているかを確認できるようにすることなどを指します。

 

売主が専任または専属専任媒介を結び売却を依頼した物件が、レインズに登録されたがどうかを直接確認できる機能、登録された物件の販売状況を元付け、客付け双方の仲介業者と売主が確認できる機能の2つを指す。2015年度中の施行を目指している。

レインズに「ステータス管理」導入へ 悪質な「囲い込み」改善 - 住宅新報web | 売買仲介

 

他の記事でも詳しく紹介しています。

 

顧客から不動産の売却を依頼されながら、仲介会社への紹介を拒否するいわゆる「囲い込み」については、業者間情報「レインズ」の物件情報を、売主に一定の条件のもと営業情報等を開示する「ステータス管理」をレインズシステムに導入する。また、違反者への処分・罰則も強化を検討する。

「囲い込み」解消やインスペクション活用など8つの提言示す/自民・中古住宅市場活性化小委員会

 

早ければ来年の通常国会で宅建法の改正を目指す

 

この8つの提言を政府・与党は早ければ来年の通常国会で宅地建物取引業法の改正を目指すほか、来年度予算概算要求に反映させる方針です。

 

空き家の市場での流通・活用の促進も盛り込まれる

 

8つの提言の8つ目には”増大する空き家の市場での流通・活用の促進”も明記されています。

 

(8)増大する空き家の市場での流通・活用の促進

(早急)個人住宅の有効活用に関する相談体制の整備

(中期)モデル的取引の支援、宅建業者と空き家バンクとの連携

自民党 「20年で価値ゼロ」を過去に 中古市場活性化提言 空き家活用促進も - 住宅新報web | 政策 

 

空き家のうち個人住宅は3〜4割です(半分は賃貸用住宅)。賃貸用住宅の空き家はいちおう流通していることを踏まえると、個人住宅の空き家を流通・活用へと働きかけていくことがますます必要になります。

 

空き家については、空き家特措法が全面施行されたことも受け、個人住宅の有効活用に関する総合的な相談をワンストップで受け付ける体制の整備やモデル的取り組みを支援する。

自民党 「20年で価値ゼロ」を過去に 中古市場活性化提言 空き家活用促進も - 住宅新報web | 政策

 

物件の囲い込みの実態

 

物件の囲い込みの実態について、ワールドビジネスサテライトの動画記事がわかりやすいです。

 

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画像引用元

 

レインズなどを通した他社からの問い合わせに「商談中」とウソをつき紹介をしないことをそう呼ぶ。囲い込みが行われるのは、売却物件ついて、自社で買い手を見つけると他社からの買い手に売却するより手数料が増えるためだ。悪質なケースでは物件が値下がりしても、自社の買い手に拘り囲い込みを続けることがある。最も被害を受けるのは売り主なのだ。

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