マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

都市部の既存建築物を用途変更して保育所にしやすく

4人に1人が落選

相変わらず待機児童問題は社会問題であり続けています。朝日新聞の調査によると、今年4月の入園に向けて認可保育施設に申し込んで1次選考に落選した子どもが、57自治体で計6万人を超えたそうです。 申込者に占める落選者の割合は約26%であり、4人に1人が落選するという現状です。これでは安心して子育てして働くことができません。ひいては少子化は加速してしまいます。

57市区で計23万1667人が申し込み、計6万735人が落選した。落選率は26・2%で、東京23区に限ると31・1%になった。最も高いのは福島市の47・7%だった。

認可保育施設1次、4人に1人落選 主要自治体で6万人:朝日新聞デジタル

需要が集中する都市部の用地不足 

待機児童は7割以上が都市部に集中しています。しかし一方で利便性の高い駅前などは、保育所用地を確保できなかったり、仮に確保できたとしても周りは住宅だらけで近隣住民の理解を得られずに開園できないというケースもあります。

落選者が多い背景には、需要が集中する駅前などの人気エリアで用地不足などから施設整備が追いつかないというミスマッチがある。 

認可保育施設1次、4人に1人落選 主要自治体で6万人:朝日新聞デジタル

都市部では使われていない既存建築物がたくさん

保育サービスを必要とする子どもの数がいったいどれくらいかは各自治体ごとに需要予測を立てるわけですが、転入などで人口が増える社会増は予測しづらいのもまた事実です。新しく保育所を建設するにも半年とか1年かかり、その間にも待機児童は発生します。例えば東京都では都有地を活用して保育所の開設を促すということをやっていますが、そもそも都市部でも空き家や空き店舗、マンションやアパートの空き室、ビルの空きテナントなど空いた既存建築物はゴロゴロあるわけです。待機児童問題は待った無しの問題で、しかも需要予測が難しく保育所を新設しても将来的に定員割れしてしまうリスクもありうる。であれば都市部の空いた既存建築物を保育所に用途変更しやすくするような規制緩和のあり方を検討し、具体的に制度改正していくことが重要です。

転入などで人口が増える社会増は予測しづらく、つい数年前までは「待機児童は数年以内にピークアウト(解消)する」と各自治体担当者が「推定」していたのは記憶に新しいです。

実は、政府は保育園ニーズを読み間違えている | 駒崎弘樹公式サイト:病児・障害児・小規模保育のNPOフローレンス代表

保育所の採光規制緩和で保育所の用途変更がしやすく

戸建て空き家の用途変更がしやすくなる規制緩和が先日さなれた旨はこないだ書きましたが、今回は建築基準法における保育所の採光規定を見直す告示が公布・施行され、都市部などの既存建築物を保育所に用途変更しやすくする制度改正が行われました。今後、どう自治体レベルで具体的に運用されていくのか注目です。

これまでは、勉強机などの高さとして床面から50cmを基準に照度を規定していたが、改正後は保育所については床面を基準として規定。これにより、高さが50cm未満の部分の開口部の面積を算入することが可能になった。

基準法の採光規定見直し 保育所への用途変更を容易に | 住宅・不動産ニュース:新法・新制度:新建ハウジングDIGITAL(新建新聞社)

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(画像引用元:http://www.mlit.go.jp/common/001226656.pdf