空き家グッド

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「人が主役の住まいをつくる」”カスタマイズ賃貸”の第一人者・青木純さん(TED×TOKYO2014)

「住む」という字には「人が主役」という意味がある

 

カスタマイズ賃貸”の第一人者・青木純さんをご存知でしょうか?東日本大震災後、空室率27%にまでなった賃貸マンションを”カスタマイズ賃貸”にすることで入居者が行列するまでになった東京都豊島区東池袋にある賃貸マンション・ロイヤルアネックスの大家さんです。大家さんとしてTEDに初めて出演されたのは青木さんが初めてです。動画をぜひご覧ください。”カスタマイズ賃貸”って何?という疑問が解消されると思います。10分位なのでサクッと見れます。

 

 TED×TOKYO2014

 

「住む」という字には「人が主役」という意味がありますが、日本の賃貸住宅には「人が主役」と全然感じない、と青木さんはおっしゃいます。

 

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(画像は全てTED×TOKYOの動画より引用)

 

真っ白いビニールクロスに安っぽい床。賃貸住宅だから、2年間これで我慢してよ、とでも言うようなクオリティーで。

 

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入居者が出て行った後は日焼けやタバコのヤニなどで汚れてしまう。そして住んでいても愛着がないから同じマンションやアパートの住人同士でもお互い目を合わそうとしない。悲しいかなそれが日本の住宅文化です。 

 

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人を主役に考えよう!

 

不動産ポータルサイトHOME'Sの運営などの不動産業を経て祖父の代から続くマンション大家業を2011年1月に継いだ青木さん。継いで直ぐ2011年3月に震災の影響で空室率が27%にまでなってしまったそうです。

 

震災きっかけです。震災の前に派遣法が変わって、派遣社員が軒並み出て行っちゃったというのもあったんですが。それが繁忙期のタイミングで震災があって、空室がふくらんじゃって、当時27%までいったんです。やばいですよね。10年後に来るであろう空室状況を一気に味わっちゃったんです。これはやべー、と思って。継いですぐです。

インタビュー / INERVIEW | CULTURESTUDIES/カルチャースタディーズ研究所

 

そこで一番つまらなかった壁を”住む人に選んでもらおう”と真っ先に考えました。

 

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入居者の方々は部屋に入るなり「この部屋の壁、全部私たちのキャンバスですね」と言ってくれたそうです。

 

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そしてどうなったかというと、彩り豊かな魅力的なお部屋になりました!(当然、ここまでに至るプロセスは何重にもありますが)

 

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壁紙を選ぶ行為を住まい手と一緒に時間をかけてやる」とおっしゃる青木さん。今までの賃貸住宅市場で大家さんがここまで入居者の好みを一緒に考えるなんてことはありませんでした。

 

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カスタマイズは壁だけじゃなくて部屋全体に

 

自分で選んだ壁だからみんな喜びます。そうなると壁だけじゃ済まなくて床もカッコよくしたくなります。

 

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他にもブラインドや棚を付けたり住まい手がどんどん素敵な空間を自分で作ってくれるわけです。

 

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この流れが出来ると次に入る人もどんどん素敵な空間を作ってくれます」と青木さん。本当凄い部屋ばかりです。

 

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楽しくなってくると選ぶだけじゃなくて自分で作る人も現れます。自分で壁を取り除いて、天井を上げて、広い空間を作って、その壁を塗って、床を張って、というようなことを住まい手自らがやります。

 

そして1ヶ月で出来たのがこちらの空間。

 

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欧米では当たり前かもしれないけれど日本では奇跡に近いチャレンジです。

 

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最近では住まい手が模型を作ったりパースを書いて見せてきてくれたりもするそう。

 

そしてプロのデザイナーのサポートもあります。

 

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そうすると一段と魅力的になります。

 

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入居者の笑顔の連鎖がコミュニティを生む

 

長く住んでくれるとみんな笑顔になります。

 

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そしてそれが連鎖するとコミュニティが生まれます。

 

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そしてそれぞれの部屋を巡り始めるという。

 

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結婚するカップルを住人みんなで祝福したり、乾杯の発声を大家さんである青木さんが務めたりもしたそうです。

 

マンションの屋上ではサンバを奏でたり、

 

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ヨガをしたり、

 

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野菜を育てたり、それぞれが思い思いのコミュニティを育てています。

 

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そして結婚式まで屋上で行われるという!

 

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コミュニティが楽しくなってくると自然と外へ開こうと思うようになる

 

マンションコミュニティが楽しくなると、自然と外へ開こうと思うようになっていきます。マンション内外の子供を預けられるキッズスペースが出来たり、こちらもマンション内外の人が利用できる”仕事場”が出来たりしました。

 

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暮らしのビジョンを明確に描いて、それに共感する人を建物が出来上がる前に集める

 

こういったチャレンジは新築の賃貸マンションでも出来る」と青木さんはおっしゃいます。東京都練馬区平和台にある「青豆ハウス」は新築で、3階建てのメゾネットが2棟ずつ全8戸の賃貸共同住宅です。どういった暮らしができるかという暮らしのビジョンを明確に描いて、それに共感する人を建物が出来上がる前に集めます。そうすると出来上がる前だからみんなで最後に色付けが出来ます。与えられるのではなく作り手になるという。

 

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自分たちの好きな色を使って自分たちの手で仕上げをする、こういう文化が出来ると楽しくなるわけですね。ピザ釜まで作ったそうです。

 

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まとめ

 

大家さんが発想を変えて新しいアイデアを形にしたことでここまで賃貸住宅が楽しい空間になります。暮らしのデザイン力を持った”暮らしの冒険家”と一緒に賃貸住宅を舞台に面白い場づくりをコーディネートする役割こそこれからの大家さんの役割なのかもしれません。人口減少時代の借り手・住まい手優位の住宅市場における大家さんの新しいロールモデルとして青木さんの取組は大いに参考になると思います。

 

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