2014年3月15日(土)、下北沢駅から徒歩5分にある北沢タウンホールにて「空き家活用フォーラム〜世田谷らしい空き家等の地域貢献活用にむけて〜」に参加してきました。
世田谷区では空き家・空き部屋を地域の資源として活用していこうと積極的です。この手のフォーラムは前にも行われていて(2012年11月6日)、そのときは先進的な事例である「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」の紹介などが行われました。尾道の空き家活用事例は非常に参考になるところが多いです。
世田谷区内から3つ、区外から2つの事例紹介
さて今回の「空き家活用フォーラム」ですが、まずは昨年度「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル」に採用された3団体のプレゼンがありました。「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル」に採用された3団体は200万円の助成金を世田谷区からもらい、どのように活動してきたかその成果報告会といった意味合いもあるようです。
空き家等地域貢献活用相談窓口|市民まちづくりの支援|トラストまちづくり事業|一般財団法人世田谷トラストまちづくり
<「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル事業」採用団体の報告>
(1)グリーフサポートせたがや
テーマ:死別体験などによる心に深い悲しみを抱える子どもたちが集い遊べる場『グリーフサポートセンターせたがや』の設立
空き家活用によって、「グリーフ(死別喪失ほか直接・間接的な要因に起因するすべてなど多義的)を抱える人が立ち寄り、同じ経験をした人どうしで経験をシェアし合い、安心・安全な場所で自分に起きたできごとと向き合うスペースを提供する」そうです。(空き家活用フォーラム資料より)
2013年の自殺者数は2年連続で3万人を下回っているようですが、年間2万人強の人が自殺していることは事実です。残された家族や友人は「グリーフ」を抱えることになります。でこのようなグリーフケア、グリーフサポートの「場」「スペース」として空き家が使えるという好例です。
(2)シェア奥沢
テーマ:シェアキッチン、コワーキング、イベントの開催のためのコモンスペース「シェア奥沢」の整備
趣味など「共通の関心事」で人のつながりは生まれます。最近はSNSでバーチャル上で簡単につながることができますがやはりリアルでつながる「場」「スペース」も必要です。かといって地域の公民館的なところは予約手続きが面倒だったり利用時間も厳格だったり、制約も多い。こうした「公共施設のデメリット」を回避する方法として空き家活用が発案されたようです。(空き家活用フォーラム資料)
2013年7月プレオープンから約3ヶ月の試験運用で利用者の声を抜粋すると、
- イベント等のための予約が楽である
- 公共施設と違い、とても落ち着ける空間である
- 時間制約があまり無いのが良い(特に夜間)
- キッチンが使えるので軽食の提供など、イベントの構成に幅がもたせられる
- 落ち着いて読書が出来る
自宅でも職場でも無い、第三の居場所「サードプレイス」ですね。
(メモ)サードプレイス
10分100円の新業態サードプレイス 『コインスペース 東急プラザ 渋谷店』 2月11日(火)グランドオープン(PR TIMES) - ソチ2014特集 - Infoseek ニュース
空き家物件所有者にとってのメリットも抜粋すると、
- 来客が増え、自宅に居ながらにして様々な交流を楽しめる
- 利用者の方々に片付けや工事を手伝っていただける
- 事務所のために購入したコピー機等の機器類を多くの人に使ってもらえる
空き家を活用・開放することでオーナーさんにとっても「交流」「マンパワー」「シェア」といったメリットが生まれます。
(3)ANDITO+大蔵プロジェクト推進チーム
テーマ:デイサービスと認知症カフェを備えた地域の多世代交流拠点づくり
空き家、空き室にも色々ありますが、特に築年数を経た木造賃貸住宅の空き家は不動産価値・競争力を失い、マーケットから孤立した状態にあります。 かたや都心部では単身高齢者世帯が増加しています。デイサービスや訪問看護などの在宅高齢者支援サービスも増えてきていますが、福祉サービスへスムーズにアクセスすることが難しいケースが多い。
そこでアパートの一階を全面改修しデイサービスと認知症カフェ運営を行う「場」とするそうです。
(後編につづく)
関連記事はこちら。
「空き家活用フォーラム〜世田谷らしい空き家等の地域貢献活用に向けて〜2014年3月15日」に行ってきました(後編) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ