まちのポテンシャルを活かす
三重県伊賀市といえば、山一つを隔てて隣接している滋賀県甲賀市とともに「忍者」のイメージが強い街です。確かに「忍者」も有力な街の資源なのですが、余りにも忍者ばかりに頼るのはリスクであるとともに、忍者以外の魅力や歴史、文化があるのにもったいないです。
そんな伊賀の他、大阪を中心にまちのポテンシャルを活かすリノベーションまちづくりに取り組む株式会社サルトコラボレイティブの加藤寛之さんのお話を「リノベーションEXPO」で聞いてきましたのでまとめます。
伊賀の魅力は忍者だけじゃない
地域商業再生プロデューサーとして地域再生に取り組む加藤さんの会社「サルトコラポレイティブ」の仕事のプロセスを見てみると、まちに埋もれた魅力を発掘して、それを企画につなげていくコーディネーターの役割を担っています。
<仕事のプロセス>
フェーズ1 地域の特性や魅力の掘り起こしを行います。
フェーズ2 地域の特性を見据え、進むべき方向性となるポジショニングを行います。
フェーズ3 マーケティングの観点から地域のブランディングを行います。
フェーズ4 地域の魅力コンテンツを人にフォーカスして発信します。
フェーズ5 地域に新しいチャレンジがうまれる仕組みと場を創出します。
つまり忍者以外に、伊賀の特性や魅力を引き出し、マーケティングの観点から伊賀の魅力を再定義(再認識)して売り出して行こうというものだと思います。
有形無形、可視非可視、認識非認識関わらず、そのまちが持っている潜在的な力、簡単に言うと魅力サルトが建物のリノベーションに関わる時、やっぱりまちとの関係性をしっかりと考えたい。まちのポテンシャルを活かしたい。
まちの「リ・ブランディング」
エリア・イノベーション・アライアンスのウェブサイトに伊賀市のまちづくりが紹介されています。伊賀のような地元の強いイメージがあるまちにおいて、他にある優れたものをしっかりと発掘して企画を組み立てることで、新たなイメージを定着させていこうという取組を「リ・ブランディング」と言うそうです。実は忍者以外にも魅力的なモノやコトがあったり魅力的な人がいたりするわけですね。
伊賀と言えば誰しもが「忍者」と言ってしまう。これは地元の強いイメージとしては良い面もある一方で、伊賀にある他の良い物が全て埋没してしまうという問題を抱えています。
そこで、伊賀にある地元の優れたものをしっかりと発掘して企画を組み立てることによって、新たなイメージを定着させていこうという取り組みが始まっています。これを我々は「リ・ブランディング」と呼んでいます。» まちのリ・ブランディング事例『daco』エリア・イノベーション・アライアンス [ AIA ] 自立するまちづくり支援サイト
例えば「和菓子」。伊賀では普通に和菓子をおやつに食べたりするそうです。そういえば同じ三重県の伊勢では赤福が有名ですし、地域特性というか和菓子が身近な文化なのかもしれません。(ちょっと画像が粗いですが「daco」という情報誌で和菓子特集がされています。和菓子屋さんがたくさん!)
daco(ダーコ)夏号、届きました - 伊賀上野が元気になればいいなあ!
例えば「伊賀牛」。伊賀の人は「伊賀牛」しか食べないとか。松坂牛や飛騨牛、神戸牛などと同じようにブランディングしていけばいいわけですね。(これも同じく画像が粗いですが「daco」で伊賀牛特集がされています。)
daco2014cityofiga - いがぶら 伊賀市観光公式サイト
他にも「老舗履物屋の下駄」「和菓子には欠かせない伊賀の美味しいお茶」「日本酒」「銭湯」「旅館建築」「城下町の喫茶店」「表具師の職人技」「伊賀出身の松尾芭蕉」「割烹・ランチ」などなど盛りだくさんの魅力が発信されています。詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
忍者以外にもこれだけある”まちのポテンシャル”を再発見して企画し、リ・ブランディングして定着させていくというプロセスの重要性を感じます。和菓子や伊賀牛など(いまのところ)忍者ほどのインパクトはなくても様々な”まちのポテンシャル”を組み合わせることで大きなまちの魅力につながっています。
最後に会場からの質問で「忍者は世界に通用するコンテンツだと思うが、どう観光資源として売り出し行くか?」というような発言がありました。確かに外国人からすると忍者、サムライ、フジヤマ、ゲイシャなど日本の歴史・文化を感じるポイントではあります。新旧のまちのコンテンツを上手くカタログ的に魅力を発信していくことが重要ですね。
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