マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

島根県津和野町で”空き家改修プロジェクト”に挑戦している中学生

廃校→子育て世帯がいなくなる→過疎化・高齢化が加速

 

先日参加したまちの宝探し豊島区雑司が谷のまち歩き)で廃校(旧高田小学校)を目の当たりにしてから「廃校活用」に大きな可能性を感じています。ただし地方の場合はそもそも人口が少ないので、廃校になることで子育て世帯が転出し過疎化や高齢化を加速させる、というケースがあります(岐阜県高山市高根町)。

 

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廃校が招いた過疎|DATAFILE.JPN|NHK NEWS WEB

 

2015年4月までに16人の小学生が在籍していなければ廃校が決定

 

総人口7,754人の島根県津和野町でも廃校の危機に直面している小学校があります。来年4月までに16人の小学生が在籍しなければ廃校が決定している左鐙(さぶみ)小学校。そこで地元の中学生・鈴木智也さん12歳(左鐙小学校の卒業生)が空き家改修プロジェクトを立ち上げています。

 

僕の母校である左鐙(さぶみ)小学校が、いま廃校のピンチに直面しています。2015年の4月までに、16人の小学生が在籍していなければ左鐙小学校の廃校が決まってしまいます。僕はこの小学校を残すために出来るだけのことをしたいと思い、親や左鐙に住む大人たちと相談し、左鐙小学校のある左鐙地区に引っ越して来られる方が住むための空き家の改修プロジェクトに挑戦することにしました。

廃校寸前の島根県左鐙小学校を救う!移住者向け住宅を改修!(鈴木智也) - READYFOR?

 

中学生がクラウドファンディングで空き家改修費用600万円を募る

 

左鐙地区には来年4月までに若者定住促進住宅「つわの暮らし推進住宅」が2棟建つそうです(鉄筋コンクリート5階建2棟・25戸・家賃21,000円)。これに加え鈴木さんらが改修しようとしている2棟(「つわの暮らし推進住宅」木造平屋建て2軒、家賃30000円で25年住んだら土地建物が譲渡されるそう)を加えれば合計4棟が入居可能になります。

 

これまでにも移住を検討していた小学生連れの家族はいくつかあったと聞いていますが、入居する家がなく、転居を諦めた方もいるそうです。新しく建設する住宅に小学生の子どもがいる家族が入居してくれれば、たくさんの小学生が左鐙小学校に通ってくれる可能性が出てきます。その可能性に賭けて、今回プロジェクトを提案しました。

廃校寸前の島根県左鐙小学校を救う!移住者向け住宅を改修!(鈴木智也) - READYFOR?

 

空き家を改修して小学生の子供がいる子育て世帯を呼び込もうという取組を、なんと地元の中学生が音頭を取っているという。大人が見習わないといけない取組。空き家改修(空き家2棟のトイレ・お風呂など)に必要な費用は最低でも800万円で、地元の方々で集めた200万円では到底足りないということでクラウドファンディングに挑戦されています。目標金額は600万円。

 

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廃校寸前の島根県左鐙小学校を救う!移住者向け住宅を改修!(鈴木智也) - READYFOR?

 

学校の役割も時代に合わせて変化を

 

仮に小学生が16名に達しても今後、子供の数が一気に増えるってことは考えにくい(出生率や子育て世帯移住者の増加)ですよね。色々なサービスはスモールにコンパクトにして行かざるを得ない。そして身の丈に合ったまちづくりというか、まちをデザインしていくというか。学校も「まちのコンテンツ」の一つとして役割をアップデートしていく必要があると思います。そして何より鈴木さんのような地元の人たちが自分たちのまちを守って行くことが大事。

 

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画像引用元)これ相当立派な校庭だと思います。学校運営を続けつつ授業や行事が無いときには地域に開放して子育て世帯や地元住民のフリースペースにしたりするといいかなと。

 

今月開催される「TED×Kids@Chiyoda2014」にスピーカーとして登壇予定

 

マチノコトにも紹介記事が出ています。

 

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マチノコト » 島根県津和野町で廃校寸前の小学校を救うため、地元の中学生がクラウドファンディングを実施中

 

TEDにも出るそうですよ。

 

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鈴木 智也 / Tomoya Suzuki – TEDxKids@Chiyoda 2014 | NOV/30/2014(SUN) 3331 ARTS CYD

 

TEDはアーツ千代田3331で行われます。11月30日(日)。申し込みはこちらまで。

 

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