住宅は定期的なメンテナンスをしなければ傷むスピードが早まる
だいたいなんでもそうですが住宅も日々使わなければ傷み、劣化するスピードが加速します。ましてや空き家にしていると日常的な点検や管理を怠ればやはり傷むスピードは早まります。
家屋は定期的なメンテナンスをしていなければ、次第に痛んでしまうものです。安全性や水回りを考えると、大がかりなリフォーム、リノベーションを施さなければならない物件も相当の割合であるでしょう。そうなればトータルでの価格は跳ね上がることになります。
点検や修繕などのメンテナンスをしっかりすれば住宅寿命は延びる
住宅寿命の根拠は”取り壊しまでの平均年数や減価償却の年数”だったりで、あくまで平均値とか目安とか、意外とあいまいなものだと感じます。
日本の家屋の耐用年数は木造建築で27年や33年という説があります。
これの根拠は取り壊しまでの平均年数や減価償却の年数です。たしかに日本の気候風土は建築には厳しいですが、木造家屋であっても、よい材木を使用し、適切にメンテナンスがされていれば、かなりの年数が持つであろうことは言うまでもありません。
木造住宅の寿命は27年ないし30年、マンション(RC)は37年だなんて言われていますが、この数字は実態を反映したものではないと不動産コンサルタントで「空き家」が蝕む日本 (ポプラ新書)の著者の長嶋修さんはおっしゃいます。点検や修繕などのメンテナンスをしっかりすれば住宅寿命は延びます。
空き家の中で5割を占める「賃貸用の住宅」と4割を占める「その他の住宅」に分けて原因と解決策を考える
空き家と一口で言っても大きく分けて「賃貸用の住宅」と「その他の住宅」があります。前者が5割、後者は4割を占めます。
(画像引用元)
で、こちらの記事が「賃貸用の住宅」と「その他の住宅」のそれぞれの空き家の原因と解決策についてコンパクトにまとまっていてわかりやすいです。
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「賃貸用の住宅」の空き家(主に空室)の原因と解決策
「賃貸用の住宅」というと主にマンションやアパートなどの空室がメインになります。「賃貸用の住宅」の空室の原因は大きく2つあって、
(1)募集と契約の期間・条件的ギャップ
(2)間取りや設備のライフスタイルギャップ
(1)も(2)も今までのやり方が通用しなくなっていて、そこにギャップが生まれているのだと思います。定期借家契約やカスタマイズ賃貸など入居者に多様な選択肢を用意するといった歩み寄りが重要だと思います。
「その他の住宅」の空き家の原因と解決策
「その他の住宅」は主に個人住宅です。3分の2が戸建、3分の1がマンションやアパートなどの共同住宅です。「その他の住宅」の空き家の原因は固定資産税や相続、更地にしても新しく建物を建てられない既存不適格の問題など複雑ですが、ここでは次の3つに絞っています。
(1)そのエリアにおける人口の減少
(2)老朽化などの問題
(3)所有者的問題
(1)に対する解決策としては「エリアの価値を上げる」というリノベーションまちづくり的な発想がいいなと思います。空き家対策というより「まちづくりから空き家の再生を進める」というスタンスですね。子育てや教育サービスの情報や施設の位置情報、地盤の安全性といった防災面の情報などオープンデータを活用した不動産情報ストックシステムが身近になるとどの街が魅力的なのか選びやすくなると思います。
解決法としては、そのエリアのソフトパワーを磨き、人々が「住みたい!」と思う街づくりを進めることで一定の解決することが可能です。例えば、住みやすさや子育てのしやすさなど、データで見えない情報の発信や、それに向けた取り組みなど、さまざままな切り口があります。
(2)に対しては撤去というのは最後の最後で、「借主負担DIY型賃貸借契約」といった新しい賃貸の形を試してもいいと思います。
(3)は相続が大きいでしょう。共同相続人が何人もいて、住んでいる場所も離れていて疎遠になっていたりして空き家の売却や賃貸、取り壊しの意思決定がまとまらないケース。
空き家の一定数は腐朽・破損あり
「その他の住宅」の空き家に腐朽・破損があるのはわかりますが曲がりなりにも不動産市場に流通しているとされる「賃貸用の住宅」の空き家の21.0%が腐朽・破損がある、というのは意外です。
各分類の空き家のうち腐朽・破損があるものの割合は、「賃貸用の住宅」が 21.0%、「売却用の住宅」が 13.0%、「二次的住宅」が 11.5%であるのに対 し、「その他の住宅」では 31.6%に上る。賃貸用又は売却用の住宅に対しては、不動産会社や所有者等による最低限の管理が行われる一方、「その他の住宅」については、管理が不十分となる傾向にあると考えられる。
空き家のうち「賃貸用の住宅」の21.0%、「その他の住宅」の31.6%は建物の主要部分やその他の部分に不具合があるそうです。(例えば,外壁がところどころ落ちていたり、壁や基礎の一部にひびが入っていたり、かわらが一部はずれているものや、雨どいが破損してひさしの一部が取れている場合など。)
出典:平成20年住宅・土地統計調査(27空き家の種類(5区分),腐朽・破損の有無(2区分),建て方(4区分),構造(5区分)別空き家数―全国)