日本の原風景を感じる空き家をリノベーションする
日本の原風景
2014年は過去最高の1340万人もの外国人観光客が日本を訪れました。政府は「2020年に2千万人」の目標を掲げており、訪日外国人観光客が喜ぶサービスをつくることが重要です。
では訪日外国人観光客が喜ぶサービスとは何か?日本政策投資銀行のレポートによると、旅館や日本食、温泉、富士山、日本的な街並み、桜など日本の現風景への人気が高いという調査結果が出ています。
そして宿泊、飲食、物販施設として活用できる古民家への宿泊がもたらす経済効果は約380億円という調査レポートも出ています。
日本の伝統文化を体験
日本の原風景、つまり日本の伝統文化、日本らしさ、といったものを体験できるサービスというのはこれからますます盛り上がっていくはずです。たとえば「TOKI」という茶道などの文化芸術、料理作り、伝統芸能などの体験を提供するサービスがあります。
(画像引用元)全て英語のサイトです。グーグルによる翻訳により日本語でも読めます。
昨日、この「TOKI」を運営していらっしゃる方からご連絡いただき、お会いしてきました。「都心の空き家(できれば豪邸のような)を訪日外国人向けに宿泊先として提供するサービス(規制緩和が行われるまでは宿泊ではなく一週間単位の一棟貸し賃貸)」を考えているということで、空き家の発掘の方法やノウハウについて議論してきました。
空き家の発掘、そしてオーナーさんとの交渉
空き家の発掘については以前、北品川の空き家調査に同行させていただいたときのことが参考になります。
空き家を巡っていく中で、表通りではなく裏路地にある空き家のほうがポテンシャルが高いことや電気メーターがゆっくり動いているときは待機電力(冷蔵庫やテレビなど)なので人が住んでいる可能性が高いこと、住宅地図で空き家の住所を割り出し法務局でそこの地番の登記簿を取ることで所有者がわかること、所有者へのアプローチは10軒中1軒聞いてくれればいいほうであること、などなど空き家リノべーションの現場のお話はどれも実際に応用できそうなことばかりでした。
まぁやはり、狙いを定めて空き家オーナーさんにアタックするしかないのだと思います。他には間接的に、町会とか商店街の地元の方々から情報を聞き出す、空き家オーナーの息子・娘さんとコンタクトをとってみる、などの方法が考えられます。
住宅の制度や意識をアップデート
現状では国際戦略特区に指定されたエリアでないと、空き家を観光客の宿泊施設にすることはできません。なので、空き家を観光客に一定期間レンタルする、という手法でしか上述のようなサービスを提供することは難しいわけです。
規制緩和しかり、制度や意識をアップデートすることはこれまで出来上がった仕組みやサービス、価値観が強固なほど進みづらいものです。しかし、人口減少や高齢化を背景に社会保障費がどんどん上がる中で、新しい仕組みやサービス、価値観を生み出し、それを創り上げていくことが今まさに必要です。