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空き家を活用して新しい価値をつくる

空き家が低所得者のセーフティーネットに!国土交通省が家賃を一部補助する方針固める

低所得者向けに空き家を活用

ソーシャル界隈では地味に話題になっていたこちらの記事「低所得者向けに空き家を活用 国交省、家賃を一部補助へ:朝日新聞デジタル」から。今年1月にも「空き家を準公営住宅にする」っていう話は出ていましたが、このたび国土交通省は低所得者向けの住宅に空き家を活用し、家賃を一部補助する方針を固めました。仕組みとしては、空き家オーナーが物件を都道府県などの窓口に申請し、自治体が耐震性や耐熱性を審査し、データベースに登録、入居希望者は自治体に申請して、そのデータベースから物件を探し、空き家オーナーと賃貸借契約を結ぶ、という流れです。補助金は入居者にではなく、空き家オーナー(家賃補助、リフォーム代補助)に払われるということで、住宅バウチャーとは少し違うようです。来年の通常国会に関連法改正案の提出を目指すとのこと。

公営住宅を十分に供給できないためで、都道府県ごとに一定の基準を満たす空き家を登録し、入居希望者に仲介する仕組みを来年度につくる。低所得者の住宅環境の改善と、空き家の減少を目指す。

低所得者向けに空き家を活用 国交省、家賃を一部補助へ:朝日新聞デジタル

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(画像引用元:低所得者向けに空き家を活用 国交省、家賃を一部補助へ:朝日新聞デジタル

低所得者向け住宅の不足

背景にあるのは低所得者向け住宅の不足があります。公営住宅は全国に216万戸ありますが、どこの自治体も厳しい財政状況のため、2005年度の219万戸をピークに減っています。そして応募倍率も尋常でなく高いです。東京都の場合は22.8倍、大阪府では10.5倍と、非常に入居しづらい状況です。月収15万8千円以下で公営住宅に入居できない低所得者のうち100万世帯は、国が定める最低居住面積水準を下回る環境で暮らしているので、全国で余っている空き家820万戸のうち、活用できる空き家を使っていこうという発想です。

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画像引用元

Twitterの反応は概ね歓迎ムード

結構このニュースは拡散していて、概ね感慨ムードです。ただ、実際に物件の登録件数がどれだけ増えるか(空き家オーナーのメリットが見えづらい)、空き家オーナーへの補助よりもひたちなか市の取り組みのような入居者への補助のほうが、住宅セーフティネットとして本質的だと思うなど、具体的な制度設計に課題はありますが、ぼくも総論賛成です。