マチノヨハク

空き家を活用して新しい価値をつくる

NHKの空き家問題インフォグラフィックがわかりやすい

 

今朝、何気なくFacebookを見たら佐々木俊尚さんのつぶやきが。最近空き家問題の記事はマス・ソーシャルメディアでたくさん見るようになりました。今回はさらに一歩進んで情報・データ・知識を視覚的に表現したインフォグラフィックによる記事です。空き家の増加の状況が県別で一目でわかるなど、短時間で空き家問題の概要が把握できます。このインフォグラフィックは「LOCAL GOOD YOKOHAMA」でも採用しています。以下、画像はこちらから引用しています。

 

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トップページは典型的な郊外住宅地の何気ない風景から。

 

県別で空き家数と空き家率、高齢化率が一目でわかる

 

まずは空き家と高齢化のインフォグラフィック。1958年から2013年までの県別の空き家数と空き家率、高齢化率が一目瞭然です。

 

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1958年は空き家率も高齢化率低いですね。全く問題無し。

 

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1983年になると、もはや空き家率は10%前後です。高度成長が終わりこのぐらいの時期から来るべく人口減少社会を視野に入れて、ストック重視の住宅不動産市場へと転換しておけば良かったのかもしれません。

 

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2013年には空き家率は軒並み10%〜20%。空き家数を表す円も大きくなっています。そして高齢化率も20%〜30%。人口、住宅不動産、昔と状況が違うのがわかります。

 

高齢単身・2人世帯の住宅が”リスク空き家”になりうる

 

空き家といっても売却や賃貸市場に出ているうちは最低限の管理はなされています。管理が行き届かずに老朽化し、放火や犯罪の温床になったり景観の悪化につながる「その他の住宅」の空き家は全国で318万戸。空き家の4割が「その他の住宅」の空き家です。今後、高齢者がますます増え、高齢単身・2人世帯が増加すればその分、リスクのある「その他の住宅」の空き家が増えていくことになります。

 

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東京、大阪、神奈川という都市部は人口も多ければ高齢者も多い。その結果、不動産市場に出ない「その他の住宅」の空き家も増える傾向にあります。

 

行政の空き家対策

 

各自治体では空き家対策の条例を作って管理の行き届いていない空き家への立入り調査や所有者への働きかけなど対策に乗り出しています。

 

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屋根の一部が崩れ落ちています。近隣住民にとっては大きな脅威です。住宅の所有権は当然守られるべきものですが、権利には責任も伴います。空き家所有者は所有者としての責任を果たす必要があります。

 

かつての活気は取り戻せない、現実的な発想と対策が必要

 

最後に、横浜で7年前から空き家に関する相談を受けているNPO法人「横浜プランナーズネットワーク」の谷口和豊さんは、かつての活気を取り戻すというこれまでの発想を変える必要があると話しています。人口減少、高齢化、空き家の増加・・・こういった社会的課題が先鋭化してくる未来でどんな社会をつくっていくのか、思考停止して前例や経験則に頼るのではなく、今回のインフォグラフィックなどで社会的課題の現状と課題をリアルに把握し、現実的な対応を捻り出して行く必要があります。今あるストックを使ってどうメリハリをつけてまちのコンテンツを作って行くかが課題だと思います。

 

事務局の谷口和豊さんは「人口の減少が進み、すべての郊外住宅地に若い人たちが移り住み、かつての活気を取り戻すという考え方はもはや現実的ではなくなっています。空き家問題を本当に解決するには、行政も住民も、これまでの発想を大きく転換することが必要だと思います」と話しています。

郊外住宅地の見えない空き家

 

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