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空き家問題解決に必要な「家主や家族の思い入れ」に大切に寄り添う感覚

空き家になったとしても赤の他人には貸したくない問題

 

空き家になる原因や空き家をそのまま放置する原因や理由は様々です。固定資産税の優遇措置の問題、相続で揉めている、貸しに出しても借り手がつかない、などなど。こうした経済的、法律的な事情も大きな要因なのですが、”赤の他人には貸したくない”という感情的・心情的な部分も大きな割合を占めていると思います。そもそも賃貸など不動産市場に出していない個人住宅なので当然といえば当然です。

 


空き家だけど赤の他人には貸したくない問題 | 縁側なび 

 

こういう感情的な部分があるからこそ単純に”神の見えざる手”的な市場経済では需給がバランスよく均衡しないのかもと思います(空き家になった→市場に出そう→買い手・借り手がつく、買い手・借り手がつかないならリノベして付加価値つけたり、または解体したり、という思考または行動の流れにはなりづらい)。空き家問題が社会的課題になるゆえんなのでしょう。

 

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写真はMAD Cityのイベントに行ったときに見た元空き家。

 

つまり、言いたいことは、
空き家がいっぱいあるから
ゲストハウスや民宿、カフェ、スペース貸しなどできることはいっぱいあるのでしょうが、
誰かに貸す
というのは家に思い入れがあると
意外とハードルが高いことなのです。

だから、空き家問題は早急に対処する社会問題だけど、
時間がかかってしまうのは、そういう感情的なところもあるんじゃないかな、と思いました。

空き家だけど赤の他人には貸したくない問題 | 縁側なび

 

 確かに。

 

空き家を貸したくない4つのパターン

 

でもかといって空き家が増えすぎていくと犯罪や不法投棄の誘発、衛生環境や景観の悪化など地域や街の課題にまで及ぶことが予想されます。空き家率33%の北海道夕張市のように(全国平均の空き家率は13.5%)。だから遅かれ早かれ空き家の処遇については家主や家族が主体的に考えていく必要があります。

 

高知県嶺北地方で移住支援活動に取り組むヒビノケイコさんのブログには「空き家を貸したくないパターン4」がわかりやすいマンガ付きで紹介されています。

 


空き家を貸したくないパターン4。放置空家税制優遇廃止、本気でどうする? : ヒビノケイコの日々。人生は自分でデザインする。

 

  • パターン1「貸したらとられるんちゃうか?」

 

もともと「貸す」という概念が特に田舎にはないためか、なかなか貸してくれる空き家が少ないそうです。確かに更新が前提の賃貸借契約だと借主保護が強すぎるため、出て行ってもらえないという不安があるのは当然です。ですが「定期借家契約」ならば1年未満でも自由に貸す期間を選べますし、基本的には更新しないことが前提です。まず貸してみて、もし借主が信頼出来る人だとわかれば更新してもいいでしょう。

 

  • パターン2「ご先祖様に申し訳ない」

 

戸建ての立派な日本家屋ならばなおさら、親族が代々住んできた家というのは思い入れもひとしおだし、「先祖の手前、他人には貸せない」という感情もあるでしょう。ただこれも、子どもも孫も住まない家だと日に日に建物は劣化していきます。血はつながっていなくても、その土地を大切に思い、その家を愛してくれる人に受け継ぐことはご先祖様や家にとっても嬉しいことでしょう。

 

  • パターン3「使わないもので家の中があふれているから貸せない」

 

実家が物置や倉庫になっているなどかなり多いケースです。モノがひたすら置いてあって片付けるのが億劫になるというケース。これも、いつか誰かが片付けないといけないならば、掃除や片付けも含めて引き受けてくれる借主の力を借りることも選択肢のひとつです(そのかわり家賃が少し安いとか改装自由だとか条件を付けて)。

 

  • パターン4「もったいないおばけ」にとりつかれている

 

これも根強いと思います。「とりあえず」いつか使うかもしれないしそのままにしておこうと思いがちです。でも家やスペース、場所を必要としている人や組織はたくさんいます。人も家も新陳代謝が健康の秘訣だと思います。

 

空き家の処遇について働きかけるサービスが必要

 

いつかいつかと思って時間が過ぎていくと家も朽ちていくし、億劫になるし、先送り。特に地方は「移住促進」「定住促進」が重要な政策の一つですから「空き家バンク」などで空き家の発掘や空き家問題の解消に努力しています。ただ、空き家問題といっても「そんなの関係ない」「思い入れのある家を他人に貸すなんて考えられない」と思う気持ちも理解できます。いきなり「Airbnb」「スペースマーケット」「下宿ラウド」などの”空きスペースを貸し出すマッチングサービス”を利用するのはハードルが高いです。だからこそまずは空き家の処遇について今後を見据えて気軽に相談出来たりする人やサービスが必要になってくると思います。

 

(参考記事)


空き家を借りる交渉のコツまとめ。条件よりも温かい人柄で : ヒビノケイコの日々。人生は自分でデザインする。

 

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