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Lifenote生き方を考える現代版寺子屋「-都市と地方-あなたの住みたい理想の場所とは」イベントレポート

住みたい理想の場所はどこ?

 

12月6日、増上寺慈雲閣で行われた「Lifenote・生き方を考える現代版寺子屋」が主催するイベント「-都市と地方-あなたの住みたい理想の場所とは」に参加してきました。

 

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Lifenote 現代版寺子屋

 

プロブロガーのイケダハヤトさん、SUUMO編集長の池本洋一さん、面白法人カヤック代表の柳澤大輔さんによる講演と参加者の方々とのグループワークから「住みたい理想の場所」とはどこかを考えました。

 

都市のメリットをどう活かすか

 

最初にSUUMO編集長の池本さんからは”都市推し”の立場からお話がありました。

 

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 畳の上で100人位が参加。大学生から30代位までの男女半々位でした。

 

まずSUUMOの池本さんからは「住みたい街ランキング2014」で上位に上がってきている街の分析のお話がありました。池袋や北千住、流山など。人や情報、街の魅力といった”都市のインフラ”が都市に住む魅力で、その魅力を活かしていくことが大事とおっしゃいます。東京は家賃が高いのになぜ住むのか?という疑問に対しては、面白いヒトやコトが集積しているので自身の可能性を広げるための対価として捉えることが出来るということでした。豊富なチャンスや学校や病院といった公共インフラも充実しています。

 

多種多様な価値観と鎌倉の自然と歴史と文化

 

次に面白法人カヤックの柳澤さんからは会社の本社をなぜ鎌倉に置いたのかというお話からです。ビジネスの中心である東京都心部から電車で1時間弱。IT企業の集積する渋谷や六本木のほうが経済合理性の観点からも有利な選択ですが、「多種多様な価値観が生まれ、それぞれが尊重されていく世の中をつくっていきたい」という考えが一つ。二つ目は海や山、寺(神社)といった鎌倉の自然と歴史と文化、そして観光地としてのパワーに魅かれたことが理由のようです。


1. 鎌倉本社と旅する支社|面白法人カヤック

 

そして鎌倉という街を良くしようという主体的な活動がポイントです。「この街を愛するヒトをITで全力支援!」という合言葉に加え、内向けには「ぜんぶジブンゴト化」という鎌倉への主体性と積極性が色濃い会社です。

 

自分たちが住んでいる街が楽しくなれば、仕事も、趣味も、人生すべてが楽しくなります。
そして楽しくなるためには、主体性を持たなければなりません。
だからこそ、住んでいる街を自分事化して、主体的に関わり、僕らは24時間働き、24時間遊び続けます

鎌倉とカヤック|面白法人カヤック

 

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カマコンバレー(Kamacon Valley)| この街を愛する人を、ITで全力支援!

 

鎌倉の落書きを消す人(鎌倉を美しくする会)を応援するために、スマホで落書き現場を撮影してウェブにアップして可視化・共有したり、「鎌倉宗教者会議」のウェブサイトを制作したり、鎌倉市限定のクラウドファンディングサイト「iikuni」を立ち上げたりされています。

 

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iikuni(いいくに)−鎌倉をよくするアイデア支援!鎌倉市限定クラウドファンディング

 

毎月1回1時間半の定例会で毎回5〜6個のプレゼンのうち2個が実際にプロジェクト化されるそうです。みんなでブレストすることが街の主体性を生み出して活動するモチベーションを高めます。

 

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meeting | カマコンバレー

 

鎌倉では元々いろいろなことをやっている人が多いという”地の利”がある利点がある一方で、中には排他性もあるそう。

 

コンテンツとしての価値を高めるため

 

最後は今年6月に高知へ移住されたイケダハヤトさんからは地方の魅力についてのお話でした。高知に移住しただけでヤフトピに載るって凄いです。移住してブログのアクセス数と売上もアップしているそう。どこに住んでも飯食っていけるクリエイターの地方移住がこれから進んで行きそうですね。「東京にいないと仕事ができない」みたいな漠然とした不安に囚われている移住希望クリエイターに向けて「お試し移住」をおすすめされています。そして家賃も当然東京より安いわけですね。以下、高知に移住した10の理由が語られています。


イケダハヤトが高知県に移住した10の理由 : まだ東京で消耗してるの?

 

当日は地方移住者を増やすために地方の魅力を語る親善大使のような語り口でした。

 

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地方の魅力を語るイケハヤさん。

 

まず「人がいい」という県民性を挙げていました。「引き込まれないようにね」とか「断る力が大事ですよ」と忠告されるように、人懐っこい、いい意味でおせっかいな人が多いということですね。四国にはお遍路の文化があることから”よそ者ウェルカムな気質”があるのかもしれません。

 

次に「食事がうまい」。これは大事ですねぇ。カツオ、トマト、お米、鮎などなどどれも新鮮で美味しそう。日曜市は価格も安いそうです。

 

次は「自然が近い」。森林率84%は全国トップです。

 

「コンパクトシティ」で超便利。これは自転車と相性がいい街であること、市街地から空港まで(高知駅から16km)が意外と近いというのもいいですね。

 

「歴史に対する理解」が深い。これは坂本龍馬を筆頭に歴史上の重要人物のゆかりの土地とあってイノベーターが多いという土壌があります。NPOも盛り上がっているそうです。

 

他にも知事がイケてたり、飲酒費用全国トップだったり、気候が良かったり、高知市内は病院が多かったりします。

 

最後に「移住の理由」について質問されていましたが、”ビビッときたので”という回答をされていました。”言葉(理由)を用意するとだいたい間違える”という言葉が印象的でした。

 

地域おこし協力隊の増員と問題点

 

パネルディスカッションではフリートークっぽい感じでした。そこでまず「地域おこし協力隊」について。給料をもらいながら準公務員として最長3年間、地方で仕事が出来るという総務省の事業です。安倍首相は地方創生政策の一貫として「地域おこし協力隊を3倍にする」と積極的です。

 

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地域を変えていく新しい力 地域おこし協力隊

 

しかし基本的にすばらしい仕組みですが、”協力隊の受け入れ態勢の不備”や”受け入れ地域と協力隊員とのギャップ”など問題点も指摘されています。国が音頭とっても実際の受け入れ先の自治体や担当部署が主体的にならないと効果も半減してしまいます。地域おこし協力隊に申し込もうとされている方は、受け入れ先自治体がどのような目的で地域おこし協力隊を受け入れようとしているのか、何を地域おこし協力隊に求めているのかをちゃんと調べておく必要があります。

 

これから協力隊になろうとする人にとっては、残念ながら、「自己責任」が求められてしまいます。ハズレを引かないようにするためにはどうすればよいのでしょう?

先日お話を伺わせていただいた「ローカルキャリアカフェ」の川人ゆかりさんは、「すでに協力隊を受け入れている自治体を選ぶ」「先輩の声を聞く」「募集概要が具体的なところを選ぶ」「自治体の担当者の話を事前によく聴く」といったポイントを指摘していました。これらのポイントに注意した上で「ここはやばそうだなぁ…」と感じたら、別の地域を当たってみるのをおすすめします。

安倍政権肝いりの「地域おこし協力隊」で失敗する若者が続出しそうな件 : まだ東京で消耗してるの?

 

「ジプシーのように生きる」流動創生・住所不定多職が面白い

 

最後に番外編的な感じでプロジェクト発起人の荒木幸子さんからは「ジプシーのように生きる」というスローガンのも「流動創生」「住所不定多職」といったキーワードで新規プロジェクトを発表されていました。

 

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ナリワイをつくる」の伊藤洋志さんの哲学が元になっているそうです。

 

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