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空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

空き家の活用とまちの再生を地域を歩いて考える(認定NPOまちぽっと伊藤久雄さんのお話)part1

空き家問題 空き家問題-限界マンション 空き家問題-既存不適格建築物

空き家が発生する3つの条件

 

もう1ヶ月も前ですが東京自治研究センター主催の「空き家・空き地対策とまちの再生」というフォーラムを聞いてきましたのでまとめます。講師は認定NPO法人まちぽっと理事の伊藤久雄さんです。実際にまちを歩かれて空き家や空き店舗活用の事例を研究されているということで参加してきました。当日配布された資料に基づいて箇条書きっぽく書いていきます。

 

まず空き家が発生する3つ条件についてです。 

 

1.まち(都市)の形成過程

 

(1)戦災復興と木造密集地域の発生

 

街や都市の成り立ち、歴史的な形成過程が空き家の発生に大きく関係しています。戦後、高度成長期の昭和30年代以降に多くの住宅が建設されましたが特に木造賃貸アパート(モクチン)が多いのが特徴的です。そして山手線外周部を中心に広範に分布している木造密集地域(木造住宅が密集し特に老朽住宅の立地割合が高く、かつ道路・公園などの公共施設等の整備が遅れている地域のこと)は建築基準法にもとづく新耐震基準導入以前に建築された木造建築物が多く、更新時期を迎えているものの、狭隘道路や行き止まり道路、狭小な敷地や未接道敷地が多い、権利関係が複雑などによって建て替えが困難なエリアです。

 

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画像引用元:「木密地域不燃化10年プロジェクト」実施方針

 

(2)大量の団地建設と大規模住宅開発地の一斉入居

 

1960〜1970年代頃に建設された団地は5階までにはエレベーター設置が義務づけられていない時期であったため、エレベーターが設置されていなものが多く高齢者には階段の上り下りが厳しいです。そのため4階、5階の空き室増加に拍車をかけています。一斉入居した子育て世代が一斉に高齢化し建物も老朽化しています。

 

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高度経済成長期、憧れの的だった「団地住まい」ってどんな暮らし? | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

 

(3)マンションの老朽化と空き室

 

マンションもまた老朽化と高齢化が同時進行しています。全国のマンション戸数は約600万戸。推計1,480万人が暮らしています。なかでも築30年超のマンションあ129万戸あり、今後も増加する見込みだそうです。そして居住者の年齢も60歳以上の世帯主が半数に達しています。

 

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マンション戸数は平成25年末現在、約601万戸。約1,480万人が住んでいます。

 

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マンション世帯主の高齢化が進んでいます。

画像引用元:平成25年度マンション総合調査結果

 

2.道路・宅地等の条件

 

(1)大規模住宅開発とミニ開発

 

大規模住宅開発地区も一斉入居が普通でした。そこでは一斉に高齢化が進み、子どもたちが世帯分離して戻らない世帯は高齢二人世帯になり、単身世帯になり、最終的には空き家になります。空き家になっても親族が管理している場合は老朽化の進行はゆっくりですが、管理する人がいない場合は老朽化が激しいです。約50年前に住宅地として開発され高齢化が進み、一部建て替えた住宅もありますが多くは老朽化が目立ち、空き家、空き室の目立つアパートが目立つ地区。農地が小規模に切り売りされてミニ開発された地域は袋路地状道路(袋状宅地)が非常に多く、行き止まり宅地のため単身世帯や空き家が増えて行く状況になると防災などの課題が顕在化してきます。

 

(2)最寄駅との距離

 

最寄駅との距離が近いと、その他の条件が悪くても建て替えが進んでいるようです。3代にわたって建て替えが進む東大和市南街の「4軒長屋」が紹介されていました。

 

(3)区画道路の整備状況

 

区画道路が4mから6mに整備されたところ、とりわけ6m以上あるところは建て替えが進んでいるようです。事例として紹介されていた小平市東学園町は戦前には国土開発によって別荘地として開発されましたが、区画道路(沿道宅地のための交通、日照、通風等のための道路。宅地内の住宅に接面する道路。)が広く、戦後は宅地化され、住宅の建て替えがおそらく2代にわたって進んでいる地域だそうです。 

 

(4)幹線道路沿いの住宅

 

区画道路沿いではなく、幹線道路沿いの住宅は建て替えが進んでいるそうです。かつては店舗だった建物を住宅に改装しているケースも多いそう。

 

3.世代交代と世帯分離の有無

 

(1)世帯分離と子どもが戻るか否か

 

木造密集地域やミニ開発地区の他に、都市部は地価が高く住宅が狭いこともあって二世帯が同居できる住宅が少ないなどを理由に子どもが世帯分離して戻ってこない場合が多いです。そのため建て替えも進まず空き家になりがちです。

 

(2)単身化から空き家へ

 

世帯が分離して子どもが実家に戻らないと高齢二人世帯になり、単身世帯化していきます。そして病院に入院したり、施設に入所したりすると空き家になります。

 

(3)固定資産税の問題

 

これは当ブログでも何度も書いていますが、建物が建てられている住宅用地の固定資産税を優遇するということですが、これが空き家にも適用されていることが空き家の放置を助長しているという問題です。これは国も改善に向けた動きを最近加速させています。

 

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長くなりそうなのでここで一旦切ります。今回は3つの空き家発生条件を見てきました。次回は空き家や空き店舗、空き工場などの活用についてです。

 

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