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空き家を活用して新しい価値をつくる

「京都×空き家×まちづくり」〜京都だからできる空き家活用の可能性、空き家をきっかけとしたまちづくり〜2014年6月7日イベントレポート1/8空き家が地域に及ぼす影響

やってきました京都!「京町屋」(伝統的な京都の木造家屋)の街。古都の伝統と歴史が残る街。風情と情緒の街。着物と和服の街。外国人もたくさん訪れる街。修学旅行の街。八つ橋と鴨川と清水寺の街。

 

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(写真はいわゆる「京町屋」。至る所がこんな感じの建物。)

 

というのも2014年6月7日(土)、京都で空き家活用のイベントがあるということをネットで知ったのでとりあえず行ってきました新幹線で。

 

場所は京都駅から徒歩15分位(暑かった!)の「ひと・まち交流館 京都2階大会議室」。

 

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第1部ミニ講演会「空き家が地域におよぼす影響」井上えり子氏(京都女子大学准教授) 

 

まずは「空き家が地域におよぼす影響」についてミニ講演が30分位ありました。

 

平成18年度から空き家の調査をスタートさせた井上氏。空き家問題は所有者だけの問題ではなくまちづくりという観点が重要だという考えにいたったそうです。

 

外から見ると空き家はそれほど”問題”ではないように見えるが裏側や内部は酷い状況ということがあります。屋根から雨漏り、天井が抜けたり、壁が自然崩落したり、柱が朽ちてきたり気づかないうちに傷んでいくのが空き家

 

「人に住まわせても家は傷むよね」。確かに人が住むと傷みます。しかし空き家のまま放置しておくほうがもっと傷みのスピードは早いのは事実です。

 

京都市内の空き家率は14.1%で空き家数は約11万戸(平成20年住宅・土地統計調査より)。これは京都市内の北区と上京区とを併せた総住宅数が約11万6千戸ですから、驚くほどたくさんの空き家が存在することになります。

 

で、具体的に空き家が地域に与える影響とは。

 

<空き家増加による地域への影響>

  • 崩れる家屋から隣家に部材が落ちる
  • 防犯・防災に対する不安
  • 小動物が棲みつき、虫がわく
  • 公共的な施設(小学校、病院、スーパー等)が地域からなくなる
  • 人口減少で”地域力”が落ちる

 

上記の”地域力”って抽象的な言葉ですが具体的には”地域活動の担い手の力”といった感じでしょうか。

 

<空き家増加による地域への影響>

  • 町会長のなり手がなかなかいない
  • 地蔵盆が開催できない
  • 区民運動会に町として参加できない

 

これは「高齢化」が一番の原因であると考えられているふしがありますが「空き家の増加」が地域の「高齢化」を加速していると指摘します。若者や若い家族が入ってくる仕組みを作らないと事態は好転しない。

 

ただし空き家を活用することで地域を劇的に変えることができるともおっしゃっています。空き家は”負の遺産”ではなく”地域の資源”として捉えることで既に取組を進めている地域はたくさんあります。

 

次に「地域ができる取組」ですが、

 

<地域が空き家問題に関わる目的>

  • 地域の問題を解決する手段の一つとする→町会長/地蔵盆
  • 地域を次の世代に住み継ぐ→町内会活動の担い手を増やす、若い家族に住んでもらう、空き家対策はまちづくりである

 

<地域(自治連合会)ができること>

  • 空き家の把握(位置/所有者/経過年数/管理状況)
  • 空き家を増やさないよう予防する
  • 所有者と連絡しあう関係になる
  • 所有者の地域の希望を伝える

 

「空き家対策はまちづくり」なんですね。人口・世帯減少に伴い空き家も増加する。人はいなくなっても建物は残るから新しく人が循環する仕組みをつくる必要があります。地域活動の担い手も今のところ高齢者が中心の地域が大半だと思います。若い人が出来る範囲で関わっていって緩やかに権限委譲していくような流れがつくれると良いのでしょうが。

 

最後に「長期空き家所有者にならないために」について、

 

戸建て空き家の経過年数は10年以上が3割(H20年六原学区調査)とのこと。結構長いですね。空き家が長期間放置されている場合も多いです。相続を繰り返すと、権利関係が複雑になり、ますます空き家の固定化が進む。そうした長期放置された空き家は前述のとおり内部が朽ちて自然に倒壊するという悪循環に。

 

住宅所有者の方は、子どもを空き家所有者にしないために前もって対策をとっておくことが肝要です。

 

<子を空き家所有者にしないために>

  • 相続が発生する前に、希望(売って均等に遺産を分けてほしい/誰かに住み次いでほしい)を伝えておく。
  • 日頃から家の維持管理をおこなっておく。
  • 子がいなくて家を寄付するならば、寺ではなくて自治連合会または町内会へ。

 

結婚して新しい家に住んだりすると実家って結局空き家になってしまうケースが多いと思います。そう考えると空き家になる前に事前に住宅の将来計画を考えておいたほうが良いですね。

 

(つづく)

次回のブログでは京都市東山区の六原自治連合会の空き家対策について書きます。

 

・・・・・

 

講師の井上えり子氏の空き家対策関連の記事やウェブサイト

MUJI×UR 団地リノベーションプロジェクト 対談「これからの日本の暮らしを考える 〜リノベーションという手法の可能性について〜」 | 無印良品の家

UR都市機構 関西エリア【京都女子大学×UR】

京都市:京都市地域連携型空き家流通促進事業

京都市:六原学区(東山区)

きょうと・人・まち・であいもん vol.2: 2011年3月19日放送 まちなかの空き家を考える

京都だより2011年2月号「特集すまい再考 これからのすまい・まちづくり第7回 都市部における空家の発生要因 ~東山区六原学区の空家調査から~」

http://www.kyotofu-kenchikushikai.jp/images/kyotodayori/pdf/2011/1102_tokusyu.pdf

 

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