読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

空き家グッド

空き家、空き室、空きビル、空き店舗、空き倉庫は問題ではなく可能性!空き家を活用して社会的課題を解決し、新しい街のコンテンツに生まれ変わらせる。そんな観点から書いているブログです。

空き家対策特別措置法と危険で迷惑な空き家へ適用される固定資産税の優遇措置の撤廃の効果はそれほどでもないのかもしれないと思う件

先日の日刊ゲンダイの空き家関連の記事ですがFacebookで3758シェア、766Tweetと結構拡散している模様です。が、しかし、ちょっと大雑把な内容になっていると思うので”補足”を試みたいと思います。

 


日刊ゲンダイ|法改正で税金6倍に 「空き家」大量売りで始まる不動産大暴落

 

f:id:cbwinwin123:20150223235404p:plain

画像引用元

 

”全ての”空き家の固定資産税が6倍になるわけではない

 

記事の中では空き家対策特別措置法が2月末に施行されその後、5月以降に空き家の固定資産税が6倍に上がる、と書いてあります。

 

「今年2月末から“空き家対策特別措置法”が施行される。これまで“空き家”の固定資産税は、更地の6分の1と低く抑えられていましたが、5月以降は負担が6倍にハネ上がる。増税をきっかけに誰も住んでいない空き家を“売却”したり“賃貸”に回す所有者が続出するとみられているのです」

日刊ゲンダイ|法改正で税金6倍に 「空き家」大量売りで始まる不動産大暴落

 

そもそもまず固定資産税の優遇措置撤廃の対象となる空き家は「危険で迷惑な空き家」に限られます。「そのまま放置していると倒壊など著しく保安上危険となる可能性がある状態」や「著しく衛生上有害となる可能性がある状態」、「適切な管理がされていないため著しく景観を損なっている状態」など、空き家の中でもかなり限定されています。

参考記事:「空家等対策の推進に関する特別措置法」逐条まとめpart1 - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

 

そして「増税」という表現がされていますがこれも正確には違います。そもそも住宅用地への固定資産税の優遇措置がスタートしたのは高度成長期の1973年。人口増加を背景に住宅の供給が追いつかないため農地などの宅地化を進める目的で取り入れられた経緯があります。つまり住宅供給と住宅取得を促すためにあえて6分の1に「軽減」していたわけです。人口が減少し空き家が増加している現代においてこの優遇措置は時代性を欠いています。それがようやく今回の税制改正によって撤廃されるだけです。フラットな状態に戻しましょうという趣旨です。

参考記事:空き家の増加を助長する不合理な税制優遇は今すぐアップデートを(固定資産税の住宅用地特例) - 空き家の活用で社会的課題を解決するブログ

 

 

固定資産税が負担増になっても相続が複雑だったり売却や賃貸に出す手間がネックになる

 

空き家が放置される理由は「更地にすると固定資産税が上がるから」ということ以外にも兄弟姉妹など複数の相続人がいて空き家を共同所有していて意見がまとまらずそのまま放置とか、売れない貸せない壊せない理由は複雑です。

 

空き家が放置される理由としては、固定資産税はあくまでも原因のひとつであって、すべてではありません。
土地家屋を売却あるいは賃貸に出すことに強い拒否感があるという方は少なくありません。
それに手間や手数料を考えた場合、法的な知識や対策も必要ですし、少なくない支出も伴います。

空き家のが日本の不動産を暴落させる可能性は低いのではないか - 住宅ローンと不動産のニュースまとめ

 

必ずしも経済合理性だけで人間は動くわけではないです。

 

「固定資産税が6倍になるのはわかっているケド、売りに出す手間が面倒だから、空き家のママ放置しよう」な家庭が案外多いと思う。
人間必ずしも経済合理的な行動を取るとは限らない。

固定資産税の6倍化は、空き家対策の特効薬にならない - Linkis.com

 

それに、数十万円くらい負担増になったところで家計に致命的なダメージを受けるわけではなかったりするのかもしれません。空き家の所有者は年配の方が多いでしょうし。固定資産税の負担が上がることに加え、空き家の共同相続人の意見をまとめるサポートなんかもあるといいと思います。

 

というか、「空き家の大半が、スグに財産処分できる単独所有案件だ」と政府が思い込んでる気がする。
実際は、子供2人が相続して「共有状態」で、2人が話し合って合意しなければ売却も賃貸も出来ない、なケースが多数だろう。

固定資産税の6倍化は、空き家対策の特効薬にならない - Linkis.com

 

マンションやアパートの空室の活用にはつながらない?

 

危険で迷惑な空き家と判定されない限りは市区町村による指導(立入調査)や固定資産税の負担増もないです。つまりマンションやアパートの空室のように売却または賃貸用の住宅で危険で迷惑であると判定はされる件数はかなり少ないと考えられます。よっぽど全室空室で壁が崩れてきそうとか屋根が落ちてきそうとか、よほどのケースはありえますが。

 

 

まとめ

 

他にも「特定空き家」の判定作業も越えるべきハードルがあると思います。判定基準づくり、それを運用していく職員の熟練など空き家所有者とのやりとりは時間も手間もかなりかかると思います。

 

ただ、空き家対策トータルで見ると法律を作ったことや税制改正されたことは大きな前進です。法律制定と税制改正が空き家対策の第1段階だとしたら、カスタマイズ賃貸とかセルフリノベーションホームシェア空き部屋活用など民間主体で創意工夫した様々な空き家活用の取組が第2段階の空き家対策になると思います。